FieLDS Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~
開会式
真っ暗な会場の中、スポットライトが当たったリング上には桜庭和志の姿が。桜庭は『エヴァンゲリオン』初号機仕様のマスクを被り、開会宣言を読み上げた。
「魔裟斗選手、今日、君はこのリングで引退をします。ボクも魔裟斗君も競技は違いますが、格闘家になることを夢見て、そして本当に格闘家になりました。だけど、それではボクたちの夢は終わらなくて、なったらなったで、もっともっと強くなりたいと思いました。誰にも負けたくない。一番になりたい。けれども、その夢を叶えることは、考えていたより、ずっとずっと大変なことでした。楽しいことは少なくて、きつかったり、悲しかったり、痛かったり。捨てなくちゃいけないこともたくさんありました。だけど、負けたらもっと悔しいし。魔裟斗君、君はその夢を叶えました。本当に一番になりました。試合に勝つということも、K-1 MAXという格闘技を引っ張ってきた格闘家としての佇まいも、誰もが認める一番になりました。そして、一番強いときに引退をする。どこまでもかっこいい魔裟斗選手。でも、そんな君の向こう側には、時間を惜しんで、いろんなものを捨てて、一生懸命練習をして、一番であることのプレッシャーと闘い続けてきた姿があったのだと思います。今日は、いつもかっこよくて強い魔裟斗君が、ボクたちには決して見せることのない向こう側の姿を思いながら、現役最後の試合を見せてもらおうと思います。そして今日は、新しく格闘家としての歩みを始める選手もいます。石井君、総合格闘技の世界へようこそ。ボクは、残念ながら今日は試合はしませんが、出場する選手一人一人、みんなが一番を目指して頑張っている人たちです。きっと、ここから新しい格闘技が始まります。今日ここに集まってくれた格闘技を愛するファンの皆さん、ボクたちの大好きな格闘技をずっと愛し続けてくれてありがとうございます。そんな格闘技を愛してくれている皆さんと、今日試合をする全選手と、今日を最後にリングでの闘いを終える魔裟斗君と、そしてもっともっと、これからもずっと格闘技を続けていきたいボク自身に、この歌を贈り、『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』の開催を宣言します」
ここで桜庭はマスクを取り、「誠に勝手ながら、日本のすべての格闘家を代表して、桜庭和志!」と挨拶すると、指揮棒を手に取り少年少女とともに『翼をください』を合唱。そして、オープニング映像とともに全選手入場式。『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』の幕が開けた!!