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2009年6月2日

「闘うとなったら、日本武道館をDREAMファンの野太い声援で埋めたい」
川尻達也インタビュー

『OLYMPIA DREAM.9 フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND』で行われたライト級ワンマッチでJ.Z.カルバンに勝利した川尻達也にインタビュー。カルバン戦、そして気になる今後についても語ってもらった。【取材日:2009年5月27日】

■「フィジカルでは世界と渡り合えるなっていう自信になりました」

──J.Z.カルバン戦勝利おめでとうございます! 一夜明けて今の心境から教えてください。
川尻 う~ん、ある程度の満足感はあるんですけど、KOできなかったんで納得できないところはありますね。でもまあ、カルバンに勝てたことは、飛び跳ねるくらい嬉しいです。やっぱカルバンは世界のトップクラスだと思うので、はい。
──実際に闘ってみたカルバン選手の印象というのは?
川尻 ビデオ見て研究してきた試合は秒殺が多くて、判定まで行ったのは宇野(薫)さんの試合と青木(真也)くんの試合ぐらいなんですよね。ビデオを見てイメージはしてきたんで、イメージ以上のものはなかったし、逆にその力をいかに出させないで潰していくかっていう闘い方でいこうと思っていたので、そういう意味ではうまく闘えたんじゃないかと思います。
──ある程度は予測通りにいったと?
川尻 そうですね。テイクダウンでも、打撃でも、相手のやりたいことをさせないという闘いができたんで。
──1Rのフロントチョークにはドキッとしました。
川尻 あれはヤバかったですね(笑)。首は入ってました。腰の絞めが弱くて支点をちょっとずらすことができたんですけど、落ちる前に逃げるしかないと思いました。
──カルバン選手はかつて、ハニ・ヤヒーラ選手からフロントチョークで一本を奪っていますよね。
川尻 その試合もビデオで見ていたしフロントチョークがあるというのは分かっていたんですけど、首を取られる前に前蹴りを掴まれて、そこに左フックを合わせられて、それでちょっとパニくっていたときなんですよ。危なかったですね。
──フィジカルの強いカルバン選手にフィジカル負けしませんでした。
川尻 カルバンにフィジカル勝負で勝てるなんて思ってもいなかったんで、それは凄く自信になりましたね。フィジカルでは世界と渡り合えるなっていう自信になりました。
──一番の勝因はなんだと感じていますか?
川尻 “風”じゃないですか。いい風が吹いていたというか(笑)。
──川尻選手の中で勝てる確率はどれくらいあると思われていたんですか?
川尻 確率は相当低いと思っていましたし、ビデオで研究するたびに「どうやって勝てばいいのかな……?」って思っていました。厳しい勝負になるだろうなって。だから、カルバンを弱いとは思ってもなかったし、次にやったらどうなるか分かんないですね。
──次の目標は?
川尻 DREAMライト級のベルトを巻くことです。僕のイメージでは(タイトル挑戦は)年末だと思ってるんで、そのときのチャンピオンに挑戦したいですね。

■「やれと言われればやるし、断る理由もない」

──もしかすると、7・13K-1 MAXで魔裟斗選手と対戦する可能性もあります。ケガとかは大丈夫ですか?
川尻 ケガはないです。ダメージもないし。まあ、やれと言われればやるし、断る理由もない。僕からは意思表示したので、あとは周りが決めることだと思います。まあ、こういう時代だから、二人で格闘技を盛り上げましょうってことですよね。DREAMもMAXも、お互いが必要としてる今だからこそ実現できるカードなんじゃないかなって思います。
──闘うとなれば、舞台は日本武道館となるんですが。
川尻 そうなると、僕は初めての日本武道館ですね。総合ではあまりやらない会場なんで。闘うとなったら、DREAMのファンをいっぱい連れて行きたいし、来てほしいですね。DREAMファンの野太い声援で埋めたい。魔裟斗選手への黄色い声援じゃなくて(笑)。
──魔裟斗選手と闘いたいと思っている選手は多いですが、それはやはり格闘家として得るものが大きいからだと想像します。そのへんについてはどのようにお考えですか?
川尻 そうですね。やっぱりK-1 MAXの世界最強と手を合わせるっていうことは、経験以外にもたくさんのものを得られると思います。でも、だからと言って、僕からやりたいと言ったわけじゃないですけどね。僕からやりたいと言ってるように捉えられるのはイヤなんで。やるならやるよっていうスタンスです。
──魔裟斗選手は「K-1をバカにされた、イコール、俺がバカにされた」とおっしゃっていました。
川尻 別にK-1をバカにしてはいないですからね。ナメてもいない。そこは違いますね。敬意を払ってK-1ルールで闘ったんで、そこを勘違いされたら困るし、違うんじゃないかなっていうのがあります。
──実現すれば注目度の高いカードになると思います。
川尻 そこは僕にとっても、DREAMにとってもチャンスなので、うまく利用すればいいんじゃないですか。逆に、僕がヘタなことをしたら、ファンをガッカリさせると思うし。
──昨年からプレッシャーの掛かる試合が続いていますが、一歩踏み出す際の支えとなっているものはなんですか?
川尻 やっぱりファンの声だったり、仲間の支えだったりですよね。そう言うとすごい奇麗事に聞こえるかもしれないんですけど、ホント一人でいるとマイナスのことばっか考えちゃうんです。だから、控室でもみんなといるとすごくリラックスできるし、あと入場のときにファンのみんながあれだけ沸いてくれたら一緒に盛り上がれる。そういう人たちの前で相手を倒して、目立ちたいっていうのもあるし。奇麗事っぽく聞こえるかもしれないですけど、ファンや仲間というのは僕にとって物凄く大事な存在ですね。