- 2010年3月7日
「絶対に負けられない試合。自分の人生にとっても大事な試合」
菊野克紀インタビュー- 3・22『DREAM.13』(横浜アリーナ)にて行われるDREAMライト級ワンマッチ、弘中邦佳戦に臨む菊野克紀にインタビュー。弘中戦に向けての意気込みを聞いてみた。【取材日:2010年2月25日】
■「絶対にいつかやるだろうなと思っていました」
──3・22『DREAM.13』(横浜アリーナ)出場が決定しました。昨年大晦日の『FieLDS Dynamite!!』を挟んで、『DREAM.12』『DREAM.13』と連続参戦となりました。
菊野 まあでも、その『Dynamite!!』に出ることを目標にやってきましたし、前回の10月(エディ・アルバレス戦)に負けて以来、5ヶ月ぶりの試合になるんで、そういう意味では長かったなっていう気持ちがありますね。
──『DREAM.12』試合直後のインタビューで、試合中に「あれ?」っていう感覚があったということをおっしゃっていました。
菊野 やっぱり試合に向けての姿勢や気持ちの作り方、そういうところで浮いてしまっていた、フワフワした部分があったのかなと感じます。(アンドレ・)ジダ戦のときのような集中力をアルバレス戦では出せなかったのが、一番の反省点でした。
──その反省点を修正し、さらに強くなっていると。
菊野 そうですね。あれは完敗だと思っていますし、じゃあそこからどうするかっていうのが大事だと思って、この5ヵ月練習してきました。間違いなくあのときよりも強くなって帰ってきました。
──今回の対戦相手は弘中邦佳選手です。
菊野 間違いなく強い相手ですね。
──最初に今回の相手が弘中選手だと聞いたときはどう思われました?
菊野 いつかはやるだろうなとは思っていました。やっぱりお互い上に行くために、瀬戸際というか、後がないというか、(主催者としては)ちょうどやらせたい相手だろうなぁとは思っていました。
──いつかやるだろうと思い始めたのは、やはり昨年に弘中選手がライト級に転向した段階で?
菊野 はい。同じ階級の選手とは全員対戦する可能性があると思っていますし、ましてやDREAMに出ている選手なので、絶対にいつかやるだろうなと思っていました。
──弘中選手の印象について教えてください。
菊野 やっぱり柔術の黒帯で寝技の強い選手。さらに上の階級から落としてきているということで、身体が大きくて力も強い。最近は打撃にも力を入れているみたいなので、KOも増えていますし、ますますスキのない選手になってきているなという感じがします。
──弘中選手とは親交があるとお聞きしました。
菊野 弘中選手は人格者で、仲良くさせていただいているんです。弘中選手の道場に出稽古に行っていた時期もありますし、しかも弘中選手は僕の地元である鹿児島の鹿屋体育大学で柔道をやっていたということもあって、そういう話もよくしていました。親しくさせていただいていたっていう感じですね。
──そういった意味でやりづらさというのはありませんか?
菊野 気後れとか、相手を立てるようなことはないです。もちろん弘中選手のことは尊敬していますし、感謝もしていますけど、その上で絶対に勝たないと、前には進めませんからね。絶対に勝ちます。
──出稽古に行っていたということは、お互いの力量も。
菊野 でももう3年くらい前の話ですからね。まったくお互いが別物だと思います。もちろん、そのときは向こうの寝技が遥かに強くて、何度もやられましたけど、3年間でお互い全然違うレベルになっていると思うんで、まったく気にしてないです。僕のスタイルで、ちゃんと集中力を出せれば絶対に勝つんで大丈夫です。
──世界トップレベルのDREAMライト級にあって、一つの敗北はトップ戦線からの大きな後退に繋がりかねません。そういった意味で、いつも以上に負けられないというプレッシャーはありませんか?
菊野 おっしゃるとおりで、もう本当に切羽詰まってます(苦笑)。先ほども佐伯(DEEP)代表から言われたんですけど、向こうはCAGEFORCEのチャンピオン、僕はDEEPのチャンピオンなので、いろんな意味で負けられない試合です。
■「また新たに形も変わってきました」
──その負けられない一戦。どう臨みますか?
菊野 もちろん打撃では弘中選手に負けているとは思っていません。逆に、弘中選手は寝技を一生懸命やっているほうだと思うので、寝技では少し分が悪い。だから僕は打撃で倒したいっていうのはありますね。
──先ほども、最近弘中選手は打撃にも力を入れているとおっしゃっていましたが、弘中選手は2月13日開催のシュートボクシングでKO勝ちをしています。
菊野 それでも負けたら話にならないです。そこはエゴというか、絶対的に誰にも負けないっていうのがありますんで、絶対に引かないです。寝技に行かせないのが一番いいと思うので、そうされる前に倒す。もちろんチャンスがあったら僕も寝技に行くと思うんですけど、基本的には打撃で倒したいですね。
──昨年4月の『DEEP41』の松本晃市郎戦から三戦(さんちん)立ちを応用した構えをされていますが、菊野選手は常々「まだまだ進化していける」とおっしゃっています。
菊野 それも練習の中でいろいろ試行錯誤して、また新たに形も変わってきました。そして、自分の内面も変わってきました。5ヶ月間で全然違うものになっていますので、そういうところを見ていただきたいなっていうのがありますね。キックボクシングであったり、ボクシングであったり、いろんな空手の型であったり、自分の中で何度も試して、新しい形になっています。そういう部分も見ていただけたらと思っています。
──「絶対に勝たないと、前には進めません」という言葉がありましたけど、具体的な目標はどこに置いていますか?
菊野 まずは1勝。次の勝ちですね。それが喉から手が出るほどほしいです。やっぱり前回負けたこともありますし、今までずっと勝ってきていたんで。負けるといろんなことが変わるんですよね。本当に勝つことの大切さ、負けることのみじめさというのを感じましたし、とにかく勝ちたいです。
──勝った先の具体的な目標というのは? 以前は、青木真也選手との対戦、『Dynamite!!』出場ということも口にされていましたが。
菊野 もちろん、青木選手のベルトも、今年の大晦日も、目標です。でも、僕は前回負けています。ですから、それを易々と口に出していいことではないと思うんです。やっぱり資格が必要ですからね。次の試合でしっかりKO勝ちをして、みなさんにそういうふうに見てもらえるようにしたいです。
──最後に改めて、弘中戦に向けての意気込みをお願いします!
菊野 本当に後がない試合だと思っていますし、絶対に負けられない試合です。自分の人生にとっても大事な試合だと思いますので、必ずKOで倒します!
【『DREAM.13』対戦カード】
■DREAMフェザー級タイトルマッチ
ビビアーノ・フェルナンデス(王者/ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)vsヨアキム・ハンセン(挑戦者/ノルウェー/フロントライン・アカデミー)
■DREAMライト級ワンマッチ
菊野克紀(日本/ALLIANCE)vs弘中邦佳(日本/マスタージャパン)
■DREAMライト級ワンマッチ
KJ・ヌーン(アメリカ/シティ・ボクシング)vsアンドレ・ジダ(ブラジル/EVOLUCAO-THAI)
■DREAMウェルター級ワンマッチ
長南亮(日本/ Team M.A.D.)vsアンドリュース・ナカハラ(ブラジル/極真会館)
■DREAM無差別級ワンマッチ
ミノワマン(日本/フリー)vsジミー・アンブリッツ(アメリカ/トッド・メディーナ・フリースタイル柔術アカデミー)
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