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■「意外に冷静に動けていて自分自身にビックリ」

──昨日は素晴らしいKO勝利でした。
高谷　そうですね。最高の勝ち方ができました。
──一晩経っていかがですか？
高谷　まだ全然寝れてないんですよね、興奮して（笑）。アドレナリンが出ちゃって眠くなんなくて、1時間くらい布団に入ったんですけど、寝てんだが寝てないんだがよく分かんない感じで、すぐに起きちゃいました。
──昨夜は祝勝会に？
高谷　はい。結婚式が重なっていたのでまずそこに行って、会社に誕生日会と祝勝会をやってもらって、その後、地元の祝勝会に行ったんで朝まででしたね（笑）。
──では、まだご自身の試合映像はご覧になってない？
高谷　その打ち上げ会場で見ました。一番最初に何が当たったのか分かってなかったんですけど、あんなにプラン通りに動けていたというか、よく動けていたと思いましたね。
──そのプランというのは？
高谷　向こうがプレッシャーを掛けてくるのは分かっていたし、いつもは僕がプレッシャーを掛けるんですけど、今回は敢えて向こうに掛けさせて、出入りで攻めようかなと思っていました。スイッチの右とかも混ぜたりして、上下にも散らして、攪乱していこうと思ったんですけど、あんなに動けると自分で思ってなかったですね。試合になったらまた喧嘩みたいになっちゃうのかなと思っていたんですけど、意外に冷静に動けていて自分自身にビックリって感じです。
──今までの高谷選手にはあまり見られないタックルも。
高谷　そうそう、タックルも（笑）。一回はやりたかったんです。たまにはちゃんと総合格闘技をやってみようかなと思って、はい。
──見事なフィニッシュでしたね。
高谷　右を当てたということは分かっていたんですけど、ああいうふうに下がりながら当てていたとは思っていなかったですね。ハンセンを相手にチャンスはそうないと思っていたので、ワンチャンスを逃さずに動けたなと思います。うまいこと当たったと思います、ほんと。一発目はチョンって感じで、二発目はめちゃくちゃ感触がありました。最後のパウンドもそうですけど、芯に当たったって感じがしました。
──追い討ちも早かったですよね。
高谷　そうですね。僕も必死だったというか、相手は強いという意識があったので、集中してやってました。
──勝った後、ケージに上がるスピードもすごかったです（笑）。
高谷　友達にも言われました（笑）。「ケージに上がる練習してたのか？」って、ハッハハハハ!!
──練習してたんですか!?
高谷　してないです、してないです（笑）。勝ったら上がろうとか思ってなかったんですけど、興奮して上がっちゃいました。

■「プランとか立てたのは初めてでした」

──去年はフェザー級GP準決勝まで連続KO勝利を収め準優勝。しかし、大晦日の小見川道大戦に敗戦。いろいろあった一年だと思うんですけど、今年一発目の試合で見事なKO勝利となりましたね。
高谷　去年は最後の最後にヘマしちゃったから絶対に勝ちたかったです。ビビアーノ（・フェルナンデス）にはあまり負けた気はしてないんですけど、結果的に2連敗という形になって3連敗はできないなっていうのもあったし、自分のことだけで言えば、去年結婚した後に負けちゃって、その後に結婚式をやってまた負けるわけにはいかないと思ったし、あと10日後くらいには子供も生まれるし、絶対に負けらんねえって思ってました。
──お子さんが誕生するんですね！　では、奥さんに気遣わせるというのも。
高谷　気遣わせたくないっすもんね。だから絶対に勝ちたかったんですよ。ほんと良かったと思います。
──そんな状況で迎える相手がハンセン選手だったというのは、非常にリスキーだったんじゃないかと思うのですが。
高谷　去年の大晦日前までに自分の価値をある程度、高められたかなと思ってたんですよ。でも、大晦日でそれを台無しにしちゃったっていうのがあって、それを取り戻すにはハンセンがベストかなと思っていたんですよね。負ければ終わりですけど、勝てばそれを逆に取り戻せるかなと思って。それで賭けてみたというか。
──プレッシャーも大きかったのではないですか？
高谷　いや、逆に落ち着いていたんですよね。相手が強いから、何をしなきゃいけないというのを考えられたというか。いつもはただ腹だけ括って打ち合うぜみたいな感じで、プランとか立てないで喧嘩しに行くって感じだったんですけど、今回は相手も強いからこうしないと勝てないというのをすごい考えてて、逆にやることが決まっていたので頭の中がクリアで不思議な感じでした。冷静だったような感じがします。
──今まではプランは立ててなかったんですか？
高谷　プランとか立てたのは初めてでした。今までよくやってたなって思いますよ、ほんと（笑）。だから、すごい勉強になりましたよね。いろいろ考えたし、トレーナーとも結構話し合いましたし。今までは「やってくるから見ててください」って感じだったんですけどね。大事だなと思いました、そういうプランって（笑）。どんな競技でも作戦ってありますもんね。
──初めてプランを立てたということですが、高谷選手らしさも存分に出ましたよね。
高谷　試合になったらどうなっちゃうか分からないし、自分の考えてたようにやってたらもしかしたら面白くない試合になっちゃうのかなとも思っていたし、もし本当にそうなったら最後は打ち合う覚悟だけはしておけよってトレーナーの山田（武士）さんにも言われていたので、そういう覚悟があったからああいう動きができたのかなと思います。
──煽りVではDREAMを背負うという言葉もありましたが。
高谷　敢えて背負うようにしないと自分自身を高められないのかなって思って。まず自分がそういうふうに思っていかないと、そうなっていかないのかなと思ったんですよね。
──名実共に背負うには次の試合が重要になりますね。
高谷　そうですね。ビビアーノとタイトルマッチやりたいです。
──ビビアーノ選手とは昨年10月のDREAMフェザー級GP決勝戦で対戦していますが、前回とはまた違う展開、結果になると。
高谷　次はちゃんと考えますよ。相手は絶対に考えてくるじゃないですか。僕もちゃんとしっかり考えて闘いたいですね、早く。
──スタミナの消耗具合という部分でも前回とは違います。
高谷　ですね。気付いてなかったんですけどね、僕は。あんなにやられているとは思ってなかったんですよ、所選手に。一回だけガクッてなっただけかなと思ってたら、その後もすっげえ殴られてて（笑）。帰ってビデオ見てビックリみたいな（笑）。次はさらにアグレッシブに行けると思いますね。
──期待しています！　では最後にファンへメッセージをお願いします。
高谷　タイトルマッチ組んでもらえるように、応援よろしくお願いします。

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