- 2010年8月18日
「自分のスタイルに不安はないし、自分は強いという自信がある」
小見川道大インタビュー- 7・10『DREAM.15』(さいたまスーパーアリーナ)で行われたフェザー級ワンマッチでジョン・ヨンサムを破った小見川道大にインタビュー。「内容も問われていた」と語るジョン戦、そして気になる今後についても語ってもらった。
■「どのシーンにおいても博打は打たないで常にセーフティに闘う」
──『DREAM.15』でのジョン・ヨンサム戦勝利、おめでとうございます!
小見川 ありがとうございます。
──DREAM初参戦を白星で飾ったわけですけど、いつもと反響は違いましたか?
小見川 そうですね、ブログ(http://ameblo.jp/micci-mou/)のコメントも多かったですし、あとは、えっと……すみません、試合終わってからあまり外に出てないんで分からないんです(笑)。子供の世話とかで、はい。
──そうでした! 6月にお子さんが誕生されたんですよね!
小見川 そうなんです。それでお宮参りに行ったりとか、はい(笑)。
──親になって初めての試合だったわけですけど、気持ち的にいつもと違いましたか?
小見川 やっぱり違いましたね。子供がお腹にいるときからそうで、練習への取り組みの段階から違いました。家族のためというか、守らなければいけない存在が増えたわけですから、そこは大きいですね。
──初めて上がったDREAMの感想を聞かせてください。
小見川 試合のときは試合に集中しているので分からないんですけど、終わってから気付くもんで、お客さんから声援を送ってもらっていい感じで受け入れれてもらえたなって思いました。
──相手のジョン選手はいかがでしたか?
小見川 データがなくて怖い部分はあったんですけど、相手がどうあれ自分のスタイルを貫くだけなんで、それがキッチリ通せてよかったと思います。でも、相手もなかなか折れない選手でしたね。最初に左が当たってそのあと畳み掛けたんですけど耐えて、そのあと十字も仕掛けてきましたし、気持ちの強い選手でした。
──あの十字を狙ってきた瞬間というのはどうだったんですか?
小見川 全然大丈夫ではあったんですけど、あの状態で下から取りに来るというのはちょっとドキッとしましたね。でも、相手の見せ場はそれだけだったと思います。
──フィニッシュとなったギロチンは狙っていたんですか?
小見川 狙っていました。俺はいつも試合の中で臨機応変に行こうという考えなんですけど、そのベースとしてあるのは、どのシーンにおいても博打は打たないで常にセーフティに闘うという考えなんですよ。今回は相手がどんな選手か分からなかったのでいつも以上にセーフティを心掛けたんです。で、ギロチンは上からも極められて、上から極めれば外れたあとも下になる可能性が低いので、はい。今回の試合ではギロチンを掛けながら一回だけ下になったんですけど、あそこもすぐに上になることを考えて実行しましたし。まあ、誰が相手でも下にはなりたくないですね。
──常にセーフティに闘うという考えはいつ頃から持たれるようになったんですか?
小見川 アメリカでの試合を経験して、ちょっと負けが込んだときに辞めようかなと思うときもあって、でもちゃんと自分の実力を試してから辞めようと思ったんです。そこからですね。自分のスタイルというのをすごく考えるようになって、セーフティに闘うという考えも含めて今のスタイルになったんですけど、そこから勝ち星が付いてきて、今に至るという。
──戦極で一気に覚醒したという印象があります。
小見川 あの頃は1試合勝つごとに自信が付いてきましたね。「このスタイルで間違いないんだ」という。昔はやっぱり迷いがあったと思うんです。その迷いというのは自分のスタイルに対する不安から来ていたと思うんですけど、今は自分のスタイルに不安はないし、自分は強いという自信があるから、安心して落ち着いてできています。
──今回もその安心感というのがリング上から伝わってきました。最後は一本で勝ちましたし、立っても圧倒していましたし、完勝と言っていい内容だったと思うんですけど、小見川選手ご自身はどう感じていますか?
小見川 完勝だと思います。今回、相手は無名の選手でしたから、「勝つのは当たり前で、圧倒して勝ちなさい」という問題を突き付けられている状態での試合だったんですよね。内容を問われているわけですから、これはやっぱり難しいんですよ(苦笑)。判定でも「その選手に判定だったら大したことねえじゃねえか」って話になっちゃいますからね。準備期間が短かったんですけど、キッチリ圧倒できたし、最後は一本も取れたんで、それもまた自信になりました。
──リングサイドでは吉田秀彦さんが見つめていましたね。
小見川 いつも応援してくれるんで嬉しいです。力になりますね、やっぱり。
──試合後に何か言葉はかわされたんですか?
小見川 「おめでとう」という言葉と、出産のお祝いに子供の洋服をいただきました(笑)。
──そのお洋服は吉田さんが選んだんですかね?(笑)。
小見川 さすがに奥さんだと思います。すごく可愛い服だったので自分も「まさかこれ、吉田先輩が選んだのかな?」って思ったんですけどね(笑)。
──チームメイトの中村和裕選手も勝利しました。
小見川 嬉しかったですね。やっぱりウォーミングアップしながらも気になって見ていたんですけど、1Rから常に上を取っていたんで大丈夫だろうと思っていました。2人とも勝てたので、これから続いてくる後輩たちのためにも、吉田道場としていい勢いになったと思います。
■「強いからやりたいんじゃないんですよ。一番だからやりたいんです」
──一夜明け会見では「今やりたい選手はただ一人、ビビアーノ選手です」とおっしゃっていましたね。
小見川 そうですね。
──ビビアーノ選手の印象はいかがですか?
小見川 フィジカルが強いというのと寝技がうまいというところですね。打撃に関しては、テクニックがないので、うまいとは思わないですけど。十分付け入る隙があると思います。
──自信はあると。
小見川 いけると思います。これからは一戦一戦意味のある試合をしていきたいんです。とりあえずビビアーノというのがDREAMで一番の選手ですから、なるべく早めに試合したいですね。強いからやりたいんじゃないんですよ。一番だからやりたいんです。だって、強さに関しては俺のほうが強いと思いますから。俺とビビアーノのどっちが強いんだって言ったら、全然自信あるので。戦極でも俺しか(マルロン・)サンドロに勝ってないですからね。そういうのも自信になってますし、はい。ビビアーノとサンドロを比べても、経験とかも含めて、トータル的にサンドロのほうが上回っていると思いますし。で、機会があればまたサンドロも叩きたいなと。もちろんアメリカというのも視野に入れています。
──小見川選手がビビアーノ選手を狙うように、今、他のフェザー級ファイターたちも小見川選手を狙っていると思うんです。
小見川 でしょうね。分かります。みんな素晴らしい選手だと思いますけど、自分の中ではまずビビアーノ。その他はその後にでも、はい。誰が相手でも自分の柔道スタイルを出せれば、まあ大丈夫だと思います。
──期待しています! それでは最後にファンへメッセージをお願いします。
小見川 これからもクソッタレ劇場を見せますんで、小見川道大をお願いします。
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