- 2009年6月16日
「試合が決まった当初は、多少ナーバスになったこともありました」
ゲガール・ムサシインタビュー- 『OLYMPIA DREAM.9 フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND』で行われたスーパーハルクトーナメント1回戦でマーク・ハントを破り、同トーナメント準決勝へと駒を進めたゲガール・ムサシにインタビュー。準決勝に向けての意気込みを語ってもらった。【取材日:2009年5月27日】
■「思いどおりの試合運びができました」
──スーパーハルクトーナメント準決勝進出、おめでとうございます! 昨日のマーク・ハント戦を振り返ってみていかがですか?
ムサシ 思いどおりの試合運びができたと思います。試合前に立てた作戦をきちんと実行することができましたね。マーク・ハントのような素晴らしい選手を倒すことができて非常にうれしいです。
──フィニッシュのアームロックまで、すべてが作戦どおりだったのでしょうか?
ムサシ サブミッションに関しては、3パターンくらい用意していました。下からであれば三角絞め、サイドを取ったらキムラロック、相手のガードの中だったらレッグロックと、何パターンか用意していました。
──無差別級で行われる今回のスーパーハルクトーナメントに関しては、どのように捉えていますか?
ムサシ コアな格闘技ファン以外にも格闘技を観てもらう、一般の方々の興味を集めるという意味で、すごくプラスになるのではないかと思います。実際、テレビ放送では、スーパーハルクトーナメントの試合以外にも、ライト級やフェザー級など他の階級の試合も放送されていたわけですし、それらの試合を観てもらうためにもスーパーハルクトーナメントで注目を集めるというのは、ひとつのやり方として正しいと思っています。たくさんの人に観てもらわないことには、イベントが成り立ちませんからね。
──ムサシ選手はトーナメントエントリー選手の中では軽量の部類に入ります。
ムサシ やっぱり体重差があるということは、相手にアドバンテージを与えることになりますので、自分にとって不利になるとは思います。しかし、逆に体重差を利用することも可能だと思うのです。例えば、重量級の選手がグラウンドになったら起き上がるだけでも大変じゃないですか。マーク・ハントは130キロと重く頑丈なファイターなので、試合が決まった当初は多少ナーバスになったこともありましたが、トレーニングを進めるにつれて「彼の体重を利用できるのでは?」と考え出し、自分の中で自信が湧いてきました。
──他のスーパーハルクトーナメント1回戦で印象に残った試合はありますか?
ムサシ それぞれの試合に見どころがあったと思います。チェ・ホンマンの場合は、彼のサイズであるとかパワーですよね。いかなるファイターでも、あのサイズだけで相当やりにくいはずです。(エメリヤーエンコ・)ヒョードルやミルコ(・クロコップ)であっても苦しんだと思います。そして、ミノワマンは持ち味である危険なレッグロックを極めましたし、ソクジュは柔道スキルを見せました。
■「ボクシングにもチャレンジしたいと思っています」
──勝ち残った他の3選手についてもう少し詳しくお聞きしたいのですが、まずはミノワマン選手については?
ムサシ 彼とは何年か前にオランダで一緒にトレーニングをしたことがあるんですよ。彼はとてもフレンドリーで、偉そうな態度を取ったりしないので、とてもリスペクトしています。ですから、できることならば、彼とは対戦したくないんです。でも、もし闘うとすれば、グラウンドに磨きを掛けて闘わなければいけませんね。
──チェ・ホンマン選手については?
ムサシ 闘うとなったら、やっぱりテイクダウンというのがポイントになると思います。ホンマン選手はサイズが大きいですし、韓国相撲の経験もあって容易にテイクダウンはできないと思うので、アグレッシブに仕掛けていくことが重要になるでしょう。パンチを何発か当ててダメージを与えてからであれば、なんとかテイクダウンできるんじゃないかと思っています。
──ソクジュ選手は?
ムサシ やっぱりスタンドでの闘いになると思います。スタンドで疲れさせて、プレッシャーをかけながらキックという感じになるのではないでしょうか。
──ソクジュ選手は、ムサシ選手と同じライトヘビー級で、PRIDE時代にアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ選手やヒカルド・アローナ選手といった強豪を倒してきたファイターです。
ムサシ 彼がPRIDEで勝ち続けていた頃は、早い時間での決着が多かったですよね。その後、少し負けが込んできたんですが、そのときに弱点をいくつか見せているはずです。もし彼と闘うことになれば、ビデオで研究して、弱点を見つけ出し、そこを攻めていきたいと思います。
──一夜明け会見では、準決勝に向けてもう少し体重を増やすということをおっしゃっていました。
ムサシ 体重を増やすにしても賢いやり方で増やして、トレーニングをやりながら、爆発力とか、動きの速さが落ちないように増やしていきたいと思っています。体重を増やすことで、それを対戦相手に利用されるということは、あってはいけませんからね。ただ、体重を増やすことは、それほど重要課題だとは思っていません。無理のないやり方で4、5キロ増やせればなと思っています。
──今後の目標を教えてください。
ムサシ まずは、スーパーハルクトーナメントでの優勝ですよね。そして、その後はDREAMライトヘビー級のチャンピオンを目指したいです。さらにその後はヘビー級でもチャンピオンになって、そしてその間にボクシングにもチャレンジしたいと思っています。狙えるようであれば、ボクシングでもタイトルにチャレンジしたいですね。ボクシングの場合は興行団体が非常に多いので、ある団体の世界王者になったからといって、それが必ずしも世界一というわけではありません。ですから、狙うならばなるべく大きな興行団体で、チャンピオンになれればと思っています。まだまだ先のことですけどね。
──まずはDREAM、MMAで世界一になると?
ムサシ そのとおりです。歳を重ねるごとに体重が増えてきているので、それに合わせてライトヘビー級、ヘビー級と、そのときの体重に合った階級のチャンピオンになれればと思っています。
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