ホーム>

ニュース

2010年6月14日

「アメリカ人の努力してるのを見て『これじゃマズイ！』って思いました」
西浦“ウィッキー”聡生インタビュー

5・29『DREAM.14』（さいたまスーパーアリーナ）で行われたフェザー級ワンマッチで所英男に勝利した西浦“ウィッキー”聡生にインタビュー。所戦、そして今後の抱負を語ってもらった。【取材日：2010年5月30日】

■「練習してもっと強くなっていくだけ」

──昨夜は見事なKO勝利、おめでとうございます！
ウィッキー　ありがとうございます、ハハハッ！
──試合後は打ち上げに？
ウィッキー　飲みましたね！　みんな気持ちいい酒を飲んでました（笑）。いろんな人から電話も掛かってきて、家族も泣いてました。
──ご家族の方々は地元・長崎でPPV中継でご覧になっていたそうですね。
ウィッキー　長崎で知り合いを集めて自分には内緒で見ていたみたいです。自分にプレッシャー掛かるといけないからと思って。勝った瞬間はみんなで「バンザーイ!!」ってやって、その後、ソッコー寿司食いに行ったらしくて（笑）。みんなで飲んだくれたらしいです。
──いい親孝行ですね。
ウィッキー　親孝行ですよ、ほんと。昔、迷惑掛けた分を取り返す以上の親孝行だったと思います。
──今の率直な気分というのは？
ウィッキー　まだ実感わかないですけど、たまんないですよね。気持ちは最高ですけど、時間が経っていったらどうなるんでしょうね。
──フィニッシュへと繋がったのは右フックでした。
ウィッキー　当たったって感じがして、ガクッというのも見えました。その後パウンドに行って、途中で止まったかなと思ってやめたら、まだ止まってなくて「あれっ？」ってなっておまけのげんこつを出しちゃいました。
──所選手を破ったことにより今後注目度も増していくと思います。
ウィッキー　頑張って練習して、それに応えていくしかないですね。
──今後、闘ってみたい相手はいますか？
ウィッキー　誰と闘いたいとかってあまり意識してないんですよね。フェザー級は誰がトップとかも意識してないし。例えば、グーチョキパーみたいなもんで、相性で勝つ負けるもあるじゃないですか。だから、とりあえずみんな強いし、さらにどんどん強くなっていくから、自分も練習してもっと強くなっていくだけです。まだできないことがいっぱいあるので、それをいっぱい消していって、次の相手が決まったらその人用にまた練習してって感じで。本当に特別あの人とっていうのはないんですよ。
──DREAMフェザー級のベルトは？
ウィッキー　ベルトは欲しいです。それはあります。あと一回くらい誰か強い人をバコーンってKOしてインパクトを与えたらまた印象も変わるだろうし、そうなったときにベルトというのが見えてくるのであれば、そのときに考えたいと思います。今はそこまで考えてないです。次勝つことしか考えてないです。なんでもそうなんですけど、いつもその場で考えるって性格なんで（笑）。先のことや決まってもないことを頑張って考えても意味ねえやって感じなんで、とにかく今は練習頑張るってことだけです。

■「適当じゃダメです、ハハハッ！」

──DREAMのバックアップを受けて昨年10月からアメリカ・ワシントン州シアトルにあるマット・ヒュームさんの元でトレーニングを続けてこられましたけど、これからもマットさんのところで？
ウィッキー　また行くんじゃないですか、ハハハッ！　怖いっすけどね（笑）。また頑張って行くしかないです。やっぱり向こうに行くと覚えることがいっぱいあるので、自分のためになりますからね
──マットさんのジムは体の大きい選手が多いので、今回の試合前に同ジムでトレーニングした桜井“マッハ”速人選手が「自分はまだいいけど、ウィッキーはかなりきついと思う」ということを言っていました。
ウィッキー　逃げ回っている感じですからね（笑）。ヤバイですよ、ほんと。ガチですよ、ガチ。今までやってきた練習というのは自分の好きなことしかやんないというか、ボクシングかキックボクシング、総合のスパーだけな感じで、それ以外は絶対にやらなかったんですよ。ミットとかも100％やんないし、サンドバックもやらないって感じだったんですけど、向こうに行って細かいことをやることの大事さを教えてもらいました。例えば、部分的なスパーリング、足を持たれている状態からのスパーとか。寝たらどの動きをしたら立つのか分からなかったんですけど、テクニックもすごい教えてもらって、はい。ほんといろいろあるんですよね、技術が。日本は「これが正しい」という昔からの教えをずっと教えられてきているんだけど、アメリカ人は「いやいや、これが正しいんだよ」という独自の考えというか技術を持っている人が多くて、それが出まくって新しいもんがどんどん生まれてきているんですよね。「おっ、なんでこうやるんだ!?」っていうのがいっぱいあって、それを身に付けて日本で練習してて使えるなってのは結構ありましたね。
──アメリカに行って格闘技に対する姿勢というのも変わりましたか？
ウィッキー　あ〜、変わったと思います。ちょっとアメリカ人の努力してるのを見て「これじゃマズイ！」って思いましたね、やっぱり。今までは試合終わったら「旅行行くぞ！」ってなって1ヵ月くらい旅行に行ってたけど、そういうことしてる場合じゃないなって。焦りを感じましたね。ほんと適当じゃダメです、ハハハッ！　一緒に行った水野（竜也）さんとかともいろいろ話しして、サプリメントとか、何を試合前に飲んだらいいとかを教えてもらって、そういうところも変わったかもしれないです。とにかく知らないことが多すぎていろいろ勉強になったし、まだまだ知らないこといっぱいなんで、また向こうには行きます。
──今回の勝利に浮かれることなく、次に向かうために気を引き締めると。
ウィッキー　浮かれてたらダメでしょ。とりあえず今日、明日くらいだけ浮かれて、また練習頑張ります。どうせDREAMはまた強いの連れてくるでしょ？（笑）。だからやんなきゃダメです。頑張ります。