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2010年8月23日

「自分らがまずDREAMでの居場所を作っていかないといけない」
中村和裕インタビュー

7・10『DREAM.15』(さいたまスーパーアリーナ)で行われたミドル級ワンマッチでカール・アモーゾを破った中村和裕にインタビュー。同じ吉田道場所属の小見川道大とともに「なにがなんでも勝とう」と臨んだDREAM初戦について語ってもらった。


■「やっぱり感慨深い気持ちはありましたね」

──『DREAM.15』でDREAM初参戦を果たしたわけですが、まずはDREAMに上がった感想からお聞かせください。
中村 やっぱりいいイベントだなと思いましたね。お客さんのノリもよくて、リング上の闘いを観に来ているというのはもちろんそうなんですけど、なんかこうライブ会場のようにその空間、雰囲気を楽しみに来ているという感じがしました。あと、戦極のときは、J-ROCKが戦極の運営に携わっていたので、J-ROCKの中でも自分は古株というのもありますし、やっぱりPRIDEを知ってるというのが大きかったんですけど、「ここが足りないんじゃないか?」とか運営の点で気になるときもあったんですね。でも、今回はそういうのはなしで、安心して試合だけに集中できました。そういうのはほんと久々でしたね。
──一夜明け会見では、久々にPRIDEの頃から知っているスタッフたちと言葉を交わして感慨深い気持ちだったということもおっしゃっていました。
中村 やっぱり感慨深い気持ちはありましたね。皆さんに「おかえり」と言っていただいて「ただいま」って答えていたんですけど、それを目上の方に言われたときは「ただいま」って言葉は敬語じゃないから返答しづらくて、「あっ、え〜っと……帰りました」って言ってました(笑)。
──闘ってみたカール・アモーゾ選手の印象はどうですか?
中村 正直……あんな感じかなという感じでしたね(苦笑)。寝技の仕掛けは結構速かったんですけど、でも強いなと思ったのはそのくらいで、別に打撃も強くないし投げも、はい。
──計量やゴング前に睨んできたりしましたね。
中村 あれは逆に気持ちが弱いというのを現していると思うんですよ。自分に経験がない頃だったら、自分もガッとにらみ返していたと思うんですけど、「どうでもいいや」と思えるんですよね。試合前のインタビューで「小シウバみたい」ということを言いましたけど、ほんとそんな感じで、ただそこらへんはもう、自分は大シウバ(=ヴァンダレイ・シウバ)とやっていますからね(笑)。試合前だったらいいんですけど、計量のときとかはめんどくさかったです。
──その睨まれたシーンもそうだったんですけど、試合運びもほんと落ち着いていたように感じました。
中村 そうですね。昔だったら先手必勝みたいな感じで「とりあえず最初は殴りに行って」という感じだったんですけど、今は見られるんですよね。最初から焦って行くんじゃなくて、相手の様子を見てジャブを突いてみて反応を見たりとか。最初のテイクダウンもとりあえず試しに入ってみようかなという感じだったんですよ。そうしたら取れたんですけど、その前のワンツーが来たのも見えてて右クロスをかぶせていましたし、あそこで取れなくても立って打撃で行こうと思ってました。で、最初の打撃で向こうの息が荒くなっているのも分かったので、グラウンドでもう少しスタミナ削ってやろうかなという感じでしたね。
──久々の1R10分はいかがでしたか?
中村 超ゼエゼエでした(笑)。
──そうだったんですか!? そうは見えませんでした。
中村 7分くらいしたらもうバクバクしていましたよ。まあ、お互いキツイですよね、10分は。これは批判ではなくて、世界のことを考えるなら5分、5分、5分のほうがいいんじゃないかなと思います。5分3Rのほうが序盤で勝負に行きやすいというのもあると思うんですよね。やっぱり序盤のスタミナロスというのは大きいので、10分だと最初からバババンとは行きづらいんです。これは自分の場合ですけど、自分だけではないと思うんですよね。自分は主催者がこれでというルールをやるだけですけど、5分3Rというのも検討してもらいたいなと思います。
──なるほど。ともあれDREAM初戦は完勝だったと思うのですが、中村選手自身はどう捉えていますか?
中村 自分としてはもうちょっとレベルを上げていかないと、(ホナウド・)ジャカレイとかそういった外国人選手とはやっていくのはまだまだ厳しいんじゃないかなと感じましたね。特にグラウンドと試合の見極めですよね。
──試合の見極め?
中村 やっぱり第1試合を任されたという部分でその働きができなかったので、そういう意味では打撃で行ったらもうちょっと展開も変わったと思うんです。打撃では無理だっていうなら話は別ですけど、打撃でもいけそうでしたからね。そういう試合の中での見極めという部分もよくしていきたいです。


■「もう一回、強い選手たち、名がある選手たちと試合していけたら」

──今後、吉田道場がDREAMに参戦していくということで、その一発目として勢いが付いたんじゃないかと思うのですが。
中村 2人出て2人とも勝てたというのはよかったと思います。内容ももちろん大事なんですが、今回一番必要だったのはなによりも勝つってことで、試合前も(小見川道大と)2人で「なにがなんでも勝とうね」っていう話をしていたんですよ。自分らがまずDREAMでの居場所を作っていかないとと思っているので、とりあえず最初の一発目で勝ててよかったです。今後もDREAMで試合していきたいです、はい。やっぱりかっこいいですよ。リングの中は一緒だと思うんですけど、上がるまでが違いますよね。
──狙うはDREAMミドル級のベルト。
中村 う〜ん…………ベルトというよりは、まずは一戦一戦やっていく感じですよね。現役生活の中でもう一回、強い選手たち、名がある選手たちと試合していけたらと思っているんです。で、結果を出していって、ベルトということも言えるようになっていければなと思います。
(※ここで中村の打撃を指導する元沼田ボクシングジムの田代勝久トレーナーが通りかかる)
中村 あっ、先生、お疲れさまです!
──田代先生、先日のアモーゾ戦での中村選手の出来はどうでしたか?
田代 よかったですよ。次のステップに向けて、これからまた上がっていくんじゃないかと感じさせる内容だったと思います!
中村 あざっす!
──今後の活躍を期待しています。最後にファンへメッセージをお願いします。
中村 自分自身、まだまだ自分の頂点が見えてなくて、まだまだスタイルも確立しきれてないので、練習して自分を向上させていきます。その成果というのを次の試合でも見せたいと思いますので、応援してください。ありがとうございました。