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2009年9月2日

「処刑人が戻ってきたぜ!」
ヨアキム・ハンセンインタビュー

10・6『HEIWA DREAM.11 フェザー級グランプリ2009決勝戦』(横浜アリーナ)にて行われるDREAMライト級タイトルマッチに臨むヨアキム・ハンセンにインタビュー。挑戦者に青木真也を迎え、王者として初防衛戦に臨む現在の心境を語ってもらった。

■「昨年末はファンやJ.Z.、関係者のことを思い、物凄く落ち込んだよ」

──昨年大晦日『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』の前日に倒れ、今も心配している日本のファンは多いです。一体、どういう状況だったのでしょう?
ハンセン 大晦日前日までは最高の状態で練習ができていて、J.Z.(カルバン)との大一番に向けて肉体的にも精神的にも調子が良かったんだけど、最終段階の練習中、テイクダウンしようと持ち上げようとした時に、トレーニングパートナーが懸命に抵抗したために足下がグラついて、相手もろとも頭から落ちてしまったんだ。その際、頭を強打してしまって、意識はあったんだけど、気分が悪く、めまいがして、頭も痛かったので、練習をやめて部屋で休むことにしたんだ。その後、しばらくして、少し回復したと思ってベッドから起き上がろうとした時、さっきよりも本格的なめまいに襲われ、そこからの記憶はない。気がついたら床に倒れていて、チームメイトが「大丈夫か?」と言っていたよ。マネージャーはオレを見るなり「病院へ行こう」と言って、DREAMのスタッフがすぐに病院に連れて行ってくれて、頭部のX線写真とCTを撮ったけど、ひびや出血はどこにもなかったんだ。ドクターによると、「異常なものは何も写っていないけれど、頭を打ったことで、今になって脳震蘯の症状が出ている」と説明を受けたよ。「どうしても試合がしたい」とドクターに話したら、「医師として絶対に許可できない」と言われてしまい、その診断を受け入れることになったんだ。ファンやJ.Z.、関係者のことを思うと、物凄く落ち込んだよ。
──その後の経過というのは?
ハンセン DREAMはオレの体調を最優先に考えてくれて、半年ほど休ませてくれたんだ。自分としては、3ヶ月後には試合ができる状態に戻して、修斗の20周年興行にも出るプランを立てていたんだけど、でも時間が足りず、残念ながら実現には至らなかったよ。
──現在はもう完全復調していると思ってよろしいのでしょうか?
ハンセン もちろん! ここのところずっとハードなトレーニングを積んでいるし、試合勘の部分での不安もない。いつでも試合のできる状態だよ。DREAMのリングに戻ってファンのみんなの前で試合ができることを、とても楽しみにしている。

■「大晦日での川尻戦をアピール? オレがベルトを守るので、そううまくはいかないと思うよ」

──DREAMライト級王座初防衛戦の相手は青木真也選手に決定しました。
ハンセン 青木選手を相手に防衛戦を行うということは、とても光栄なことだ。でもそれ以上に、また試合ができるということに喜びを感じているよ。
──これまで青木選手とは2度対戦されていますが、青木選手に対してはどのような印象を持っていますか?
ハンセン 青木選手は才能溢れる素晴らしい選手だと思う。彼が仕掛けてくる多くの技は、どれも注意が必要だよ。彼が世界のベストファイターの一人であることに異論はない。トップクラスの選手を相手にほとんど勝っているので、一流と呼ぶにふさわしい選手だよ。
──昨年9月のライト級GP決勝戦ではハンセン選手が勝利しました。一番の勝因はどこにあったと分析しますか?
ハンセン あの日はブラックマンバとの1試合だけを想定していたので、決勝に上がり青木選手とやることになった時はびっくりした。でも、オレはファイターだし、「やるしかない!」と気合いを入れたんだ。リングに向かう時は、“ライト級のベルトを懸けた闘い”だとか“青木選手との試合”だという風には考えないようにした。気負わず、とにかくリングの上で自分の試合をすることだけに集中していたんだ。雑念を持たずに試合に臨んだことがよかったのではないかと思うよ。試合に勝てて本当に幸せな気分だった。
──3度目の対戦はどのような展開になると予想していますか?
ハンセン 自分の試合がどうなるかは、いつもわからないよ。リングに上がり、ベストを尽くす、これだけだね。勝つことができれば、どんなフィニッシュでもいいと思っている。もちろん、危険なサブミッションは警戒しなければならない。
──そんな青木選手に勝つには、何がもっとも重要になるのでしょうか?
ハンセン 引かずにガンガン攻める気持ちを持ち続けることだね。
──7月に行われた『DREAM.10』での青木真也vsビトー“シャオリン”ヒベイロ戦の感想を教えてください。
ハンセン すごく戦略性の高い試合だったと思う。青木選手は巧みな戦術を実行し、そして勝った、そういう試合だったんじゃないかな。
──青木vsシャオリンは、その試合内容について賛否両論ありました。ハンセン選手の意見を聞かせてください。
ハンセン ファンは、誰もが自由にそれぞれの意見を持っていいと思う。オレ自身は、誰に対しても批判をするつもりはない。ひとつ言えるのは、自分はファイターとして、リングの上でベストを尽くし、観ているみんなに楽しんでもらえる試合をするよう心がけている。それだけだよ。
──ハンセン選手がプロのファイターとしてもっとも大切にしているのは、ファンに対して“勝利を見せること”ですか? それとも、勝利以上に“見ているファンが興奮、楽しむ試合をすること”ですか?
ハンセン DREAMのような大きな大会では、“勝利を見せること”も“見ているファンが興奮、楽しむ試合をすること”も、両方を見せることがファンに対して大切なことだと思う。プロとして試合をする以上、その2つは表裏一体だと考えるべきじゃないかな。ファンの人からいまだに言われるのが、オレとエディ(・アルバレス)との試合(『DREAM.3』)のことなんだ。残念ながら自分は勝つことができなかったけど、多くのファンの記憶に残っているのは、プロとして誇りに思っているよ。
──そのシャオリン戦後に青木選手は、今回のタイトルマッチの実現、そして、大晦日での川尻達也戦をアピールしました。川尻選手もそれに呼応するコメントを残しています。このような一連の流れに対して思うところはありますか?
ハンセン 別にいいんじゃないかな。でも、オレがベルトを守るので、そううまくはいかないと思うよ。
──昨年9月、一日2試合の激闘を制し手に入れたDREAM級ライト級のベルト。ハンセン選手にとってこのベルトはどのような価値がありますか?
ハンセン 本当にいろんな意味で重いベルトだよ。試合に向けて多くの時間と努力を注いできた結果、やっと獲ることができたベルトだし、そうした多くの犠牲があって辿り着いたベルトなんだ。
──ズバリ、防衛する自信は?
ハンセン もちろんあるよ。試合に向けた準備はできているから、必ず防衛するさ。
──最後にファンへメッセージをお願いします!
ハンセン タイトルマッチだろうが何だろうが関係ない。処刑人が戻ってきたぜ!