- 2009年12月28日
「できることなら打撃でマットに沈めたいなと思います」
三崎和雄インタビュー- 12・31『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』(さいたまスーパーアリーナ)にて行われるDREAMvsSRC対抗戦で、SRC代表としてメルヴィン・マヌーフと対戦する三崎和雄にインタビュー。戦極ミドル級の日本人エースにマヌーフ戦への意気込みを聞いた。【取材日:2009年12月25日】
■「ここで引き下がっていいのかな? 受けなくていいのかな……?」
──ギリギリのタイミングになりましたが、12・31『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』(さいたまスーパーアリーナ)でのメルヴィン・マヌーフ戦が決定しました。今の心境から教えていただけますか。
三崎 確かにギリギリですけど、もう決まったからには気持ちを切り替えて、試合までいくしかないですからね。一度は気持ちが切れちゃいましたけど、そんなことは関係なく、試合に真っすぐに向かっていきたいと思います。
──マヌーフ選手の印象は?
三崎 一言で言うと、ヤバい選手ですよね。最初から最後までラッシュをかけてくる、そして、パンチ一発一発が非常に重いという特徴を持った選手。あのパンチを一発喰らったらちょっと厳しい状況になってしまうんで、あのパンチをいかにもらわずにして、自分のパターンにというか、試合をコントロールしていくかだと思います。できることなら一発もパンチをもらわずに試合を終わらせたいんですけど、でもまあ、一発、二発、仮にもらったとしても、自分の意志というか魂に火がついていれば、もちろん試合をやめることはしませんし、自分の息が続く限りは闘います。完全に吹っ飛んだらもう立てないでしょうけど、かすかにでも相手が見えたりとか、相手の匂いがすれば、向かって行きますよ。できることなら打撃でマットに沈めたいなと思います。
──マヌーフ選手はここ数年、MMAの試合でKO負けはありません。
三崎 そうですね。(KOする)想像はしてるんですけどね(笑)。まあ、ホントに短い期間なんで、う〜ん……頭の中で戦略を思い描くぐらいしかできないですけど、今まで培ってきたモノを、経験をここで見せないといけないんじゃないかなと思ってます。
──「一度は今回の試合を見送ることに決めました」と会見でもおっしゃってましたが、改めて再度出場を決意した理由を教えてください。
三崎 正直、一度は気持ちが完全に切れて、「もう今年は試合をしない」と一度は決めたんですけど、なんか「これでいいのかな?」っていう自分もどこかにいたんですよね。なんだろうなあ……ボクはリングの上はギャンブルだと思うんですよ。
──ギャンブル?
三崎 リングに上がってしまえば、勝ちか負けかしかないわけですから、これはもう誰も決められないし、神様しかその答えは知らないわけですからね。そういう意味で、リングの上はギャンブルだと思うんです。ただ、リングに上がるまではギャンブルじゃないと思うんですよね。リングに上がるまで、ボクは相手に勝つために、緻密に戦略を立ててトレーニングを積むんです。「勝てる」という自信がなければ、ボクはリングに上がらないですから。だから今までボクは、リングに上がるまでにギャンブルということをしたことがないんですよ。だけど今回、このタイミングで当初に予定していた選手との対戦がなくなり、マヌーフ選手というまったくタイプが違う選手のオファーがあり、それはやっぱりギャンブルになってしまうから、「今回の試合はやめよう」と思ったんです。でも、一方でどこか心の片隅で武道家としての自分もやっぱりいるんですよね。目に前に闘う相手がいて、それを求められていて、周りにも求められ、「ここで引き下がっていいのかな? 受けなくていいのかな……?」って考えたときに、なんかちっちゃい点だったものがどんどん大きくなってきたんです。「もしこのまま試合をやらずに年を越えて、来年はどういう心境でいるのかな?」と考えると、まあ、「迷ったら行け」ということで、相手云々どうこう言ってもつまんないので、「相手は誰でもいいや」と、「やろう」と、そういう気持ちが自分の中で膨らんだので、一昨日、返事をしました。「やる」と。
■「今上がってる場所を世界最高峰にしていきたい」
──今回のように相手が直前に決まって、相手の対策を立てずに試合に臨むというのは初めてのことですか?
三崎 おそらく、このタイミング、この状況というのは初めてじゃないでしょうか。
──そういった状況の中で助けとなるのは……?
三崎 う〜ん……経験、本能、あとは神様かな(笑)。でも、相手もかなり本能がありそうですからね。動物的な本能が。でも、見た目は明らかにマヌーフ選手のほうが動物的な雰囲気はありますけども、ボクはちょっとタイプが違う動物的本能を持っていると思うんです。「大きいから」とか「力が強いから」とか「獰猛だから」強いというわけじゃないですから、そういった意味では、違った野生動物の本能をお見せできればなと思います。
──マヌーフ選手の試合を見たことは?
三崎 まあ、テレビでちょっと見たときがあるかなっていうくらいですね。
──今まで闘ってきた中で、マヌーフ選手のようなタイプの選手というのは?
三崎 フィル・バローニなんかは大振りのフックをガンガン振り回してくるタイプだったんですけど、それともまたちょっと違うんですよね。やっぱり打撃専門というか、ましてやK-1にも出てる。「最後、自分がどうやって闘っているのかな?」って、まだちょっとピンと来てないんです。
──DREAMvsSRCの対抗戦として今回の試合は行われますが、対抗戦に関して意識する部分はありますか?
三崎 正直言って、DREAMに上がってる選手たちも昔は一緒にやってた仲間だと思いますから、個人的にはそういった意識はないんですけど、やっぱり自分が今上がってる場所(SRC)を世界最高峰にしていきたいという気持ちもありますから、そういった意味では、「ここは何がなんでも勝たなければいけない」という気持ちにはなってます。
──今年最後の試合となりますが、改めてマヌーフ戦に向けての意気込みを聞かせてください。
三崎 今年一年いろいろあったけど、それをすべて吹っ飛ばすような、爆発するような試合をしたいですね。そして、静かに年を迎えたいなという心境です。
【『FieLDS Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~』対戦カード】
■DREAMvsSRC対抗戦
山本“KID”徳郁(日本/KRAZY BEE)vs金原正徳(日本/パラエストラ八王子/チームZST)
■DREAMvsSRC対抗戦
所英男(日本/チームZST)vsマルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
■DREAMvsSRC対抗戦
高谷裕之(日本/高谷軍団)vs小見川道大(日本/吉田道場)
■DREAMvsSRC対抗戦
川尻達也(日本/T-BLOOD)vs横田一則(日本/GRABAKA)
■DREAMvsSRC対抗戦
青木真也(日本/パラエストラ東京)vs廣田瑞人(日本/フリー)
■DREAMvsSRC対抗戦
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)vs郷野聡寛(日本/GRABAKA)
■DREAMvsSRC対抗戦
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショー・タイム)vs三崎和雄(日本/フリー)
■DREAMvsSRC対抗戦
柴田勝頼(日本/LAUGHTER7)vs泉浩(日本/プレシオス)
■DREAMvsSRC対抗戦
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)vs藤田和之(日本/藤田事務所)
■スーパーハルクトーナメント〜世界超人選手権〜 決勝戦
ミノワマン(日本/フリー)vsソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト)
■雷電杯
吉田秀彦(日本/吉田道場)vs石井慧(日本/アイダッシュ)
■魔裟斗引退試合/K-1ルール(3分5R延長1R)
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)vsアンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ)
■K-1ヘビー級ワンマッチ
西島洋介(日本/AK)vsレイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー ファイト アカデミー)
■K-1甲子園準決勝戦/K-1甲子園ルール
HIROYA(セントジョーンズインターナショナルハイスクール/3年)vs野杁正明(至学館高等学校/1年)
■K-1甲子園準決勝戦/K-1甲子園ルール
嶋田翔太(私立西武台高校/3年)vs石田勝希(初芝立命館高等学校/2年)
■K-1甲子園決勝戦/K-1甲子園ルール
HIROYA×野杁正明の勝者vs嶋田翔太×石田勝希の勝者
■K-1甲子園リザーブファイト/K-1甲子園ルール
藤鬥嘩裟(勇志国際高校/2年)vs日下部竜也(愛知県立豊田高校/2年)
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