- 2009年5月5日
「DREAMとHERO'Sのベルト、2つセットで飾りたいっす」
山本“KID”徳郁インタビュー- 5・26『OLYMPIA DREAM.9 フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND』(横浜アリーナ)で行われるDREAMフェザー級GP2回戦でジョー・ウォーレンと対戦する山本“KID”徳郁にインタビュー。1年半ぶりの試合、そしてフェザー級GPに懸ける思いを語ってもらった。【取材日:2009年4月10日】
■「人のこと言っている場合じゃないから。自分は自分でいい試合するだけ」
──いよいよ約1年半ぶりとなる試合の対戦相手が決定しました。
KID いよいよっすね。早くやりたいっす。楽しみっすね。
──ファン、関係者、たくさんの人から注目されています。
KID 注目とか期待されるのは嬉しい。ありがたいなと思う。ヘタなコトするつもりはないし、ただ自分の持っているものを出すというか、自分のスタイルで行けたらいいかなと。
──今までと変わりなく行くと。
KID そうっすね。全然、変わりはないっす。あとはまあ、(1Rの)時間が5分から10分に変わったじゃないですか。そこらへんをちょっと考えてやっていこうかなとは思っている。
──そのへんは意識して練習されているんですか?
KID そうっすね。今までは5分・5分・5分という体だったから、最初の10分をどう闘っていくかだよね。スタミナとか。やってみないと分からないんだけど。でも、できる限り、スタミナのこととかはやっていくんで大丈夫です。まあ、相手も一緒ですからね。どうなるんすかねぇ? オレもちょっと楽しみ(笑)。
──フェザー級GP1回戦はスッキリしない内容だったと言われていますが、KID選手はどのように感じられましたか?
KID どうなんだろう? オレは楽しく見れてましたけどね。長ければ長いほど選手の持っているものがドンドン出てくるから、いい参考になった。だから、それが選手からの目と、お客さんの目との違いだと思う。オレはやっている人間だからね。
──ウェルター級GP1回戦が盛り上がりを見せ、ますますフェザー級GPへの……。
KID (遮るように)いやいやいや、オレはオレで人のことは考えずに、うん。人のこと言っている場合じゃないから。自分は自分でいい試合するだけ。それは選手だったらみんな思っていることで、みんなもいい試合してくれるだろうし、大丈夫っすよ。大丈夫です。……ってばかり言っているから、嫁さんから怒られちゃうんだよね。「いつも『大丈夫』しか言ってないじゃない!」って(笑)。
──ハッハハハ!
KID なんか聞かれると、「『大丈夫』『大丈夫だから』としか言ってない」ってね(笑)。でも、大丈夫なんだよなぁ。だって、死ぬわけじゃないしさ。ねぇ?
──確かに(笑)。対戦相手のジョー・ウォーレン選手なんですけど、1回戦のチェイス・ビービ戦を見てどんな印象を持ちましたか?
KID やっぱり圧力が強いなと思った。組んでからの圧力。あと、他の選手とリズムが違う。いきなり攻撃してきたり。そういうところは警戒していきます。やっぱりグレコ(ローマンレスリング)というのがベースだから、グレコ独特の動きというのがあるんですよね。ウチにもグレコやっていた選手がいるんだけど、やっぱり闘い方がちょっと似ている。
──ウォーレン選手の打撃についてはどう思われていますか?
KID 巧くはないけど、一発一発が強いんじゃないですか、重いというか。やっぱり(レスリング)世界選手権で優勝しているぶん、身体能力は凄いと思う。体ができているから、いろいろと覚えるのも早いんじゃないかな。まあでも、大丈夫ですね。………あっ、また言ってた(笑)。でも、大丈夫です、全然。
──やはり攻撃は打撃中心で?
KID そうっすね。でも、寝技もやっているから、ちょっと出したいな。寝技もやりたいっすね。試したい。
■「ごまかせば右だけでも大丈夫だろうと。で、やっぱりできた」
──ヒザの回復具合はいかがですか?
KID 100%じゃないけど、気を付けてれば大丈夫っすよ。試合までの練習を気を付けてれば。
──昨年7月に負った右ヒザ前十字靱帯を部分断裂は、試合直前での怪我でした。
KID 気持ちが盛り上がりすぎて、ギリギリまでガンガン追い込んでたんすよね……。
──ヒザを治すと同時に、手も折れていて治したとか。
KID そう、手も手術したの。(07年9月の)ビビアーノ(・フェルナンデス)との試合の1週間前に手首折っちゃったらしくて、気付かないでやってたら、どうしようもなく痛くなってきて、ピンポン球が入っているかのように腫れてきちゃったんすよ。だから、それから1年間は右手だけでやっていたけど、ヒザ怪我してどうせならと思って診てもらったら折れてて……。使いすぎだったみたい(苦笑)。
──「なんか痛いなぁ」って感じだったんですか?
KID “なんか”じゃなかった、“めちゃ”痛かった(笑)。コンビニの袋とかも持てなくて。でも、ごまかせば右だけでも大丈夫だろうと。で、やっぱりできたんだよね。
──では、ハニ・ヤヒーラ戦とかも……。
KID グローブ付けるだけで痛かったね。
──無茶苦茶ですよ……。
KID ほんと無茶苦茶っす! ダメっすよね、そんなんじゃ。だから、ちゃんと医者には行かないとなと思いました(笑)。医者には行ったほうがいいですよ。だって、医者は凄いっすよ、やっぱ。ガッチリ治してくれたんだもん。
──実感しましたか。昨年の夏は入院、リハビリと苦しい日々でした。
KID 病院の窓から、隣の公園で子供達が野球とかやっているのを見てたんすよ。「あいつら、すげえ走ってる! オレは歩けねえ……」みたいな(笑)。あぁ……、懐かしいなぁ。思い出しますね。手術終わった日に、病院の近くで花火大会があったんすよ。病院のベッドからカーテンをパッと開けたら、花火がパーン、パーンって上がって「おめでとー!!」みたいな感じで。即行さっとカーテン閉めましたけどね(笑)。
──ハッハハハ!
KID そういう思い出も含め、頑張りますよ。
──狙うはDREAMフェザー級のベルトですね。
KID うん、ベルト2つ揃えたいっすね。DREAMとHERO'S、セットで飾りたいっす。飾ろ!
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