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2009年8月10日

「ベルトを持ち帰って、DREAMのリングで皆さんに挨拶したいです」
石田光洋インタビュー

8・15ストライクフォース(アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ/HPパビリオン)でギルバート・メレンデスの保持するストライクフォース暫定世界ライト級王座に挑む石田光洋にインタビュー。渡米前の心境を聞いた。【取材日:2009年8月5日】

■「メレンデス選手とはもう一回やるだろうなという感じはしていました」

──8・15ストライクフォースでのギルバート・メレンデス戦が決定しました。大会開催まで時間がない中での参戦決定となりましたが、試合への準備は問題ないですか?
石田 お話をいただいたのは最近なんですけど、ずっと「8月か9月くらいに試合できたらいいな」という気持ちで練習していたんです。もちろんいつもに比べると追い込みの部分で短いというのはありますけど、それはそれで結構集中してやれているので、自分にとって今回の試合はマイナスではないと感じています。
──ストライクフォースには昨年9月にも参戦し、今回は二度目の出場となりますが、日本で試合をするのと比べて何に一番違いを感じましたか?
石田 一回目はプレイボーイマンションというちょっと通常の会場とはまた違う雰囲気の中で試合をさせていただいたんですけど、熱狂的に応援してくれる人もいましたし、一方で食事をしながら観ている人もいたんです(笑)。そのコントラストがハッキリしていたという印象がありますね。
──例えば、昨年9月のときの相手のジャスティン・ウィルコックス選手は、開催国であるアメリカの選手でしたし、石田選手に対してブーイングが飛んだりとかは?
石田 ブーイング覚悟で「悪者に徹しようか」とも思ったんですけど、そのときは全然ブーイングはなくて、逆に拍手で迎えられたんで凄く嬉しかったですね。でも、今度はメレンデス選手の地元みたいなので、それを考えたら完全どアウェイですし、絶対にブーイングされるだろうなという気持ちでいます。
──ブーイングは覚悟していると。
石田 はい。でも、一回目にメレンデス選手とやったときは日本でしたし、メレンデス選手にとってはアウェイだったわけじゃないですか。だから今度は逆に自分がその立場で、ちょうど対等でいいんじゃないかとも思います、はい。
──同じ選手と二度闘うというのは、やはりやりにくいものですか?
石田 やっぱり、やりづらい……ですね。再戦というのはそんなに好きじゃないですけど、今回はベルトを懸けてやらせてもらえるので再戦という感覚とはまたちょっと違う感じもしていますし、あと、メレンデス選手とはもう一回やるだろうなという気もしていたので、そこで背中を向けちゃダメだとも思っていました。
──もう一度闘うかもという予感がしていたと。
石田 “勘”ですね。一回目の試合が終わってすぐくらいから「もう一回、やることになるんじゃないかな……」という感じはしていました。
──前回勝っているということは、今回の試合に向けていいイメージに繋がりますか?
石田 多分、楽に勝っていたら凄くいいイメージに繋がったと思うんですけど、本当にギリギリの闘いでしたからね。また苦しい試合になるだろうなと意識しています。しかも、今度は5分5Rですからね。長引いたら相当苦しい試合になるだろうなと思います。
──フルタイムで闘って25分間もあるわけですからね。ルールも『やれんのか!』のときや、普段のDREAMルールとも違います。
石田 そうですね。スタンドのヒジが許されるだけでも、闘い方は違ってきますからね。前回とはまったく違った展開になる可能性はあると思います。
──前回闘ったときに一番強烈に印象に残っているのはなんですか?
石田 1Rが終わってお互い疲れていると思ったんですけど、2Rになって(メレンデスが)もっと元気になっていたのにビックリしました。そこはやっぱり彼の執念ですよね。勝利への執念というのが一番怖いなと思います。
──2度目のメレンデス戦に臨むにあたり、勝利を掴む上で重要なことはたくさんあると思うのですが、敢えて挙げるとするとなんでしょう?
石田 気持ちと集中力ですね。周りの雰囲気に呑まれちゃったらもう戻れないので、そこは自分の気持ちを強く持って、集中して闘わなければいけないと思います。

■「中途半端な気持ちでやっていたら本当に殺されます」

──暫定王座決定戦ということに関してはどうですか?
石田 意識していないと言ったら嘘になりますけど、その前にメレンデス選手という獣を倒さないとダメですから、そこでしっかりいい結果を残したいですね。そのご褒美がベルトだと考えています。
──今回の試合は5月の修斗での廣田戦以来となりますが、あの廣田戦というのは今、石田選手はどのように捉えているのですか?
石田 あの試合に関しては、もう自分の悪いところが全部出た試合でした。自分自身に凄く腹が立ったし、あれほど自分が情けないと思った日はなかったですね。応援してくれているファンの皆さんに申し訳ないという気持ちも強かったので……。DREAMの開場前のイベントがあったじゃないですか?
──7月の『DREAM.10』開場前のファンイベントですね。
石田 それに出るのとかも、正直、ちょっと怖かったです。卵の一つや二つ、ぶん投げられるんじゃねえかな……とか思っていましたね。でも、皆さんが拍手で迎え入れてくれて、最後に握手したとき、皆さんにいろいろと声を掛けていただいて、本当に嬉しかったですね。ほんと、泣きたくなるくらい嬉しかったです。
──そのファンのためにも今回は負けられないと。
石田 そうですね。ここは本当に死に物狂いでやるしかないと思います。向こうでいい結果を残して、ベルトを持って、DREAMのリングで皆さんの前で挨拶したいですね。でも、とりあえず今は、目の前にいるメレンデス選手に集中したいと思います。中途半端な気持ちでやっていたら本当に殺されますから。あまり先のことは考えず、この試合に集中したいと思います。
──DREAMファン、そして石田選手のファンにメッセージをお願いします。
石田 こういう形で大チャンスをいただいたので、口で言うのは簡単なんですけど、死に物狂いで闘って、そのご褒美を持って帰ってきますので、それを持って皆さんの前で笑顔で挨拶できるように頑張ってきます! 応援よろしくお願いします!