- 2009年10月17日
「ムカつきましたけど、想定内です」
川尻達也インタビュー- 10・6『HEIWA DREAM.11 フェザー級グランプリ2009決勝戦』(横浜アリーナ)で行われたライト級ワンマッチでメルカ・バラクーダに勝利した川尻達也にインタビュー。川尻が同大会で改めて大晦日での対戦を表明した、青木真也について語ってもらった。【取材日:2009年10月7日】
■「気持ちはもう戦闘モードに入っています」
──メルカ・バラクーダ戦勝利、おめでとうございます!
川尻 勝ててほっとしましたね。前回負けているんで(※7月のK-1 MAX:魔裟斗戦)、それを払拭できました。
──今回の一戦へ臨むに当たり相当なプレッシャーがあったと思うのですが。
川尻 そうですね。まだ負けて間もないというか、消化し切れていない部分もあったし、“次”が見えているというので取りこぼせないというのもあったし、多分、他の人が思っているよりも、自分の中で結構重要な試合でしたね。
──『DREAM.11』ではDREAMライト級チャンピオンシップが行われ、川尻選手がその“次”と見据える相手は青木真也選手となりました。
川尻 お互い素晴らしい攻防を見せたいい試合だったと思いますよ。やっぱり、(青木は)強いなって思いましたね。クレバー。頭いいなと思いました。正面衝突は絶対にしないですからね。相手のイヤなところを付いて、リスクなしで、しっかり勝負に行く。それが今のMMAでの勝ち方だと思うので、その勝ち方を知っているし、それをしっかりできる選手だと思います。
──試合後に青木選手に対戦要求をしましたが、「検討します」と……。
川尻 ムカつきましたけど、想定内です。やっぱりファイトスタイルと一緒で正面衝突はないので、はぐらかされるだろうなと思っていましたから。「そっか」という感じでしたね。
──事前に青木選手は宇野薫選手に「検討します」という言葉を使いますよと許可を取っていたそうです。
川尻 フハハハハ! 「どっかで聞いたことあるなぁ」「昔、言われたことあるなぁ」って思ったんですよ。「パクリやん!」って思ったけど、頭いいなって思いました。でも、分かりづらい! 普通の人には分からないですよ。「ムエタイって面白いでしょ?」とか(笑)。よっぽど格闘技を見てないと分からないですよ。
──今は青木選手に対してどんな心境ですか?
川尻 まあ、いつまでもムカついているわけではないし、気持ちはもう戦闘モードに入っています。それに、やっぱりカチンと来れば「ぶっ飛ばしてやろう」と思うし、テンション上がってますね。
■「青木君はもう、俗に言う“グラップラー”という括りではまったくない」
──もし、青木選手との対戦が実現したとして、どんな試合になると思いますか?
川尻 なんていうのかな……、よく分からないんですよね。なんか、新人類じゃないですか。ボクの中の格闘技って、戦略とかはあるけど、ある程度、男と男のぶつかり合いというか、「どっちが強いか決めようぜ」みたいな感じだけど、青木君はそうじゃない。スポーツライクというか、はぐらかすというか、打っても響かない感じなので、自分でもどうなるか分からないし、2人がリングに上がったときにファンに向かってどういうものを発信できるのかまったく読めない感じですね。
──実際にイメージしたりもしますか?
川尻 ある程度、頭の中ではイメージしていますけど、ただ、みんなが思っているような「打撃vs寝技」という闘いではないと思う。もっとMMAとしての闘いになると思うんですよ。それだけお互いレベルが上がっている。青木君はもう、俗に言う“グラップラー”という括りではまったくない。れっきとしたMMAファイターだし、「寝技さえ気を付ければいい」というレベルの話ではなくなっていますから。多分、2〜3年前に2人が闘っていたら「打撃vs寝技」になっていたと思うけど、お互いのレベルが上がって、MMAの世界のレベルが上がって、もうそういう闘いじゃ通用しなくなっていますからね。そういう中で自分をどう表現して勝つか、という試合になると思います。
──青木対策というのは?
川尻 あるんじゃないですか? ある程度、頭の中でイメージできていますよ。でも、多分、それもはぐらかされるからそのまんまじゃないと思うし、考えなきゃいけないけど、考えすぎてもいけない。ニュートラルな感じでいようと思っています。
──改めて、DREAMライト級王座のベルトへの思いを聞かせていただけますか。
川尻 欲しい。ベルトが欲しい。世界で自分の階級で一番強い男になりたい。そのためにはDREAMのベルトが絶対必要だから、オレはベルトを獲る。それだけですね。いつもいいところでつまづいたけど、もうつまづかないで、しっかり掴み取りたいと思います。チャンピオンは特別な存在だし、チャンピオンベルトというものが存在する以上、ベルトを持ってない人が一番を語るのはおかしいと思うし、一番だと語っていいのはベルトを持っている人間だけだとオレは思っています。昨日も言ったけど、世界最高峰の試合を日本のDREAMのリングで表現できると思うんですよ。大晦日という一番格闘技が盛り上がる日に、一番たくさんの人が観ている前で、MMAの最高峰の試合を全国に伝えたいと思いますね。
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