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2008年3月11日

「はじめまして、水野竜也です」
打倒ミルコに日本人ヘビー級ファイターが挑戦!!

3月11日(火)、都内・ホテルグランドパレスで記者会見が行なわれ、3月15日(土)にさいたまスーパーアリーナで開催される『HEIWA DREAM.1 LIGHT WEIGHT GRANDPRIX 2008 1st ROUND』にワンマッチで出場するミルコ・クロコップの対戦相手が発表された。
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日本人ヘビー級ファイターがミルコ狩りに名乗りを挙げた! 先日の会見で“公募”という形で国内外に向けて呼びかけていた、ミルコの対戦相手がついに決定した。
会見に出席した笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーは、「国内外から約10名ほどのファイターから『闘いたい』と名乗りを挙げていただきました。現実的に考えて海外の選手はビザ等の問題もありますので、日本人選手の中で選んだ」と、今回の“公募”に対するファイターからのリアクション、そして選定基準から決定までに至った経緯を説明。「その中で一番将来性があって、日本の総合格闘技界の未来を託せるような選手を選びました。ミルコ・クロコップ選手との対戦が決まったのは、水野竜也選手です」と、田村潔司率いるU-FILE CAMP登戸所属の水野竜也に決定したことを発表した。

水野は、1981年6月2日生まれの茨城県出身。バックボーンは、中学、高校、大学と学んだ柔道で、2005年4月に開催された『第5回東日本アマチュア修斗フレッシュマンヘビー級』で優勝。その後、パンクラスゲートで破竹の4連勝を飾り、2006年7月にパンクラスのリングでプロデビュー。ここでも桜木裕司らを退け3連勝と、“対日本人”無敗を誇っていたが、2007年2月にはチアゴ・シウバ、同年5月にはアスエリオ・シウバに苦杯を舐めた。しかし、同年11月に河野真幸をTKOで下すと、さらに今年2月に行われた『ウォリアーズ・レアルム』では、デイヴィッド・フレンディンから見事腕十字で一本勝ちを収めている。ヘビー級ファイターの層が薄い日本総合格闘界にあって、その潜在能力の高さは「次代を担う逸材」と、関係者から高い評価を得ており、特に柔道家とは思えぬ打撃のセンスは非凡で、一発で試合を決める破壊力を秘めているファイターだ。

この水野について笹原EPは、「デビューしてまだそんなに時間の経っていない選手ですが、すごく将来性があって、このまさしく“ドリーム”というリングの中で、ミルコを倒して“夢”を掴んでいただければ」と期待を寄せる。ここで、水野竜也と師であるU-FILE CAMP主宰の田村潔司が登壇。

まずは田村がマイクを取り、「自分の所属する水野がミルコと闘うということで、多分この周りにいらっしゃる皆さんや会場に来られるファンの皆様は、ミルコが順当に勝つだろうと思っていると思いますが、そういう状況の中で、水野がどういう“化け方”をするかが楽しみです。僕自身、緊張感があり、すごい楽しみな闘い」と弟子・水野にエールを送ると、水野も、「はじめまして、U-FILE CAMPの水野竜也です。このような大きな大会に参加することができて、まだ実感がないんですけど精一杯がんばっていきたいと思います。リングに上がってしまえば、勝ちか負けかフィフティー・フィフティーだと思ってますので、気持ちだけしっかりして勝つ気持ちでやっていきたいと思います」と力強く意気込みを語った。

以下、マスコミとの質疑応答。

――今回の対戦は自ら志願したんですか?
水野 そうですね。公募があると聞いて、ミルコ選手と闘えるのは一生のうちにあるかないか。こんな大きなチャンスはないと思って志願させていただきました。
――先月試合を行なっているが、間隔の問題はないですか?
水野 この前の試合は早い時間で決まって、身体的にはなんの問題もないので、練習もこの間ずっとやってきてますので問題はありません。
――田村選手とは相談しましたか?
水野 相手が強い選手であるのと、私自身が無名だというのもありまして、やっぱり不安というか怖さというものもありまして、田村さんとよく相談しまして、応募という形を取らせていただきました。
田村 水野のほうから、「対戦相手として手を挙げたい」という話を聞きまして、自分からやりたいという気持ちがあっても最終判断というのはすごい迷うところだったんで、僕としましては負けに行くわけでもないので、彼がどれくらいの可能性を秘めた選手かっていうのも評価されると思いますので、僕自身もどういう闘いをするのかっていうのに興味がありまして。正直、現時点で力は及ばないと思うんですけど、リングに上がると化ける選手っていますので、その化け方を確認したいです。ミルコをいい踏み台、ステップアップ、通過点としてその先を見据えてがんばってもらいたい。ミルコ戦で彼の選手生命が終わるわけではないので、前向きな、踏み台として送り出したいなと思っています。30~40分ほど彼と話をしまして、最終的に本人の希望と葛藤もありまして、僕がケツを叩いたという感じで。あとは対戦相手として選んでいただいて、彼の今までの試合を評価をしていただいたんだと思ってますので、そういう主催者側としても多少なり期待を持ってもらえてんじゃないかなと思いますので、当日、みんなの予想を裏切るような試合を僕自身も期待をしてますので、彼に賭けてみようかなと思っています。
――笹原EPはどのような試合を期待していますか?
笹原 このリングは今回初めて旗揚げする新しいリングですので、「今までの格闘技イベントとは違う価値観を生み出したい」と再三申し上げてるんですけど、水野選手にはそういう意味ではこの試合で新しい価値観というか、そういうものを見せていただけるような試合を期待しています。水野選手に決めた最大の理由は、彼に将来性というか可能性を感じたものですから、ぜひ、もちろん勝利することがあれば一躍スターダムにのし上がれると思うんですけど、それ以上にミルコにぶつかっていく生き様をリングで見せていただいて、「このリングはこういうリングなんだ。夢を掴めるリングなんだ」ということを証明、見せられるような試合をしていただきたいと思います。

会見終了後の囲み取材では、「打撃も練習しているので打撃勝負をしたいという気持ちもありますが、本当に勝ちにいくのであればミルコ選手の苦手なグラウンドで勝負をするのがいいのではないか」と柔道家らしく寝技勝負を表明。押さえ込みで固めて動きのある関節技を狙っていく作戦のようだ。ミルコの印象については、「穴はないなというのがありますのが、ミルコ選手も人間なのでどこかでミス、気持ちのゆるみが一回は出てくると思うので自分にも勝つチャンスはあると思います」と語り、「絶対にミルコ選手が勝つだろうと、周りの人が思っていると思いますが、本当に自分の中では勝ちにいくという気持ちが大きいです」と、あくまでスーパーアップセットを起こす腹づもりのようだ。また田村は「予定が入ってなければ(笑)」当日セコンドに就く予定で、「ミルコはサウスポーなので、左側の攻撃を注意してもらえれば。あとは試合が始まって本能に任せるしかない」と、ミルコ戦を分析する。
一方、この対戦相手を聞いたミルコは、笹原EPによると即答でOKをしたといい、過去の試合データや戦績などの情報は収集済みとのこと。だが、笹原EPは「ミルコにとって、簡単な相手じゃないと思いますよ。ナメるとは思いませんが、失うものがない選手はなにかやらかしてくれるはず」と水野勝利の可能性を示唆。そして、「これにもし勝てば、ヒョードル戦とか夢の扉が開くはず。ぜひ次代を担っていただきたい」と水野の背中を押した。

記念すべき旗揚げとなる3・15『HEIWA DREAM.1 LIGHT WEIGHT GRANDPRIX 2008 1st ROUND』でのミルコ・クロコップの対戦相手は、水野竜也に決定。果たして水野は、この乾坤一擲の大勝負で大金星を挙げ、一気にスターダムを駆け上がることができるのか――。