- 2008年5月15日
「去年のボクとは別人だと思ってもらっていいよ」
ゼルグ“弁慶”ガレシックインタビュー- 『OLYMPIA DREAM.2 ミドル級グランプリ2008 開幕戦』で行われたミドル級トーナメント1回戦でマゴメド・スルタンアクメドフを破り、6月15日(日)に開催の『OLYMPIA DREAM.4 ミドル級グランプリ2008 2nd ROUND』(横浜アリーナ)での同トーナメント2回戦進出を決めたゼルグ“弁慶”ガレシックにインタビュー。2nd ROUNDに向けての意気込みを語ってもらった。【取材日:2008年4月30日】
■「グラウンドに関しては格段の進歩を遂げているという実感がある」
──昨日は見事な一本勝ちでした。今の心境はいかがですか?
弁慶 とても素晴らしい気持ちで、億万長者になったような気分だよ(笑)。自分の力をすべては見せられなかったけど、短い時間で勝てたことは非常に嬉しいね。
──マゴメド選手もストライカーですしスタンド勝負が予想されましたが、まさかの一本決着でした。
弁慶 向こうもストライカーなので激しい殴り合いになるとボクも予想していたよ。だけど、リング上で向かい合ったときに相手の表情を見たら、“あっ、今日はテクニカルで攻めてくるんじゃないかな?”と感じたんだ。そうしたら、やはりテイクダウンを狙ってきたんだよね。相手の動きに合わせてうまくトライアングル(三角絞め)を極めることができたよ。
──今までのキャリアでサブミッションで勝った試合というのは?
弁慶 ストライカーのイメージが強いと思うんだけど、これでも数試合だけど一本で勝ったことがあるんだ(笑)。でも、ここまでの大舞台で極めたのは初めてだね。それと前回の試合以降、グラウンドをすごく練習してきたので、“実験”をしてみたかったんだ。これまではテイクダウンされたらとにかく立ち上がることを第一にしていたんだけど、今回は落ち着いて対処することができたよ。
──グラウンドを強化しようと思ったキッカケは?
弁慶 昨年、タキモト(瀧本誠)とユン(・ドンシク)に一本負けしてしまったのがキッカケだね。あのときのボクとは別人だと思ってもらっていいよ。グラウンドに関しては格段の進歩を遂げているという実感がある。去年と比べて300%はアップしているね。
──レベルアップしたグラウンド技術を1回戦で見せないほうがよかったとは思いませんか?
弁慶 いや、むしろ見せてよかったと思っているよ。これまでは“弁慶=スタンドでの打撃”と思われていたので、テイクダウンすれば簡単にグラウンドで仕留められると思っていた選手もいると思うんだ。しかし、今回グラウンドでもできることを見せることによって、グラウンドでも脅威を与えることができると思う。それに、テイクダウンされても大丈夫と思うことによって、思い切って打撃を出せるしね。これによってスタンドでのKO率もグンと上がると思うよ。
──グラウンドを強化するために、特別にトレーナーを付けたりはしたんですか?
弁慶 レスリングは毎日、柔道と柔術は週に3回行った。レスリングはクロアチアにいるレスラーと一緒に練習しているんだけど、柔道はクロアチアのナショナルチームに選ばれたこともあるトレーナーに指導してもらって、柔術はザグレブにある柔術アカデミーで学んでいるよ。
■「今まで自分が頑張って生きてきたことに対しての最大のご褒美」
──6・15『DREAM.4』まではどういうプランを立てていますか?
弁慶 次の試合がすぐそこに迫っているからね。帰国して2時間ばかり寝たら、すぐに2回戦のためのトレーニングプログラムを行いたいと思っているよ。
──2回戦で闘ってみたい選手はいますか?
弁慶 主催者が決めた相手なら誰でもいいよ。今回勝ち上がった選手はみんな簡単に勝てるような相手ではないからね。
──例えば、昨年9月のHERO'S横浜大会で敗れたユン・ドンシク選手にリベンジしたいという気持ちはありますか?
弁慶 ユンは素晴らしい選手なので、そういう機会があればぜひ闘ってみたいね。
──昨年10月のHERO'S韓国大会で闘った金選手との再戦は?
弁慶 オレのほうが幸運だったから勝った……というような試合展開はオレも望んでいない。あの試合、一つの技でもって彼のまぶたが切れてしまってドクターストップになってしまったんだけど、彼に対しても申し訳ないし、自分自身も消化不良だった。再戦はオレも望むところだし、DREAMという舞台でリマッチというのが実現すれば面白いよね。
──金選手は自信があるようですよ。
弁慶 それはいいことを聞いた。そう言ってもらえたほうが、自分のモチベーションになるからね。彼も100%の自信があると思うけど、自分も100%の自信があるよ。
──今回のトーナメントに優勝する自信もある?
弁慶 もちろん! 自信がなければこのトーナメントには参加していないよ。
──弁慶選手にとって、DREAMのベルトはどのくらいの価値があると感じていますか?
弁慶 今まで自分が頑張って生きてきたことに対しての最大のご褒美だね。自分は9歳の頃から格闘技を始めて、それからは休みなくトレーニングを続けてきたんだ。最近は家族と会う時間もろくにないくらいに頑張っている。チャンピオンになるということは、自分が頑張ってきたことに対してのご褒美であるとともに、迷惑を掛けている家族や仲間に対しても大きなものになると思う。
──最後に意気込みをお願いします。
弁慶 ファンのみんなの記憶に残るような試合をしたい。全力で頑張るよ!
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