- 2008年5月22日
「オレは有言実行の男。絶対にこのチャンスを掴む!」
エディ・アルバレスインタビュー- 『HEIWA DREAM.3 ライト級グランプリ2008 2nd ROUND』で行われたライト級トーナメント2回戦でヨアキム・ハンセンを破り、7月21日(月・祝)に開催の『HEIWA DREAM.5 ライト級グランプリ2008 決勝戦』(大阪城ホール)での同トーナメント決勝ラウンド進出を決めたエディ・アルバレス。決勝ラウンドに向けての抱負を語った。【取材日:2008年5月12日】
■「自分は本当に“戦士”かどうか? それが試される一日になると思う」
──昨夜の『DREAM.3』、ヨアキム・ハンセン戦は素晴らしいファイトでした。
アルバレス 試合を終えてもなかなか興奮が冷めなかったよ(笑)。小さい打撲以外はダメージもないし、素晴らしいファイトだったと自分でも思う。
──昨夜は祝杯をあげましたか?
アルバレス 六本木に行こうと思ったんだけど、さすがに昨日はヘトヘトに疲れたからね(笑)。近所のバーで1杯だけ飲んでホテルに戻ったよ。
──会場に集まったファンは激闘を繰り広げたアルバレス選手、ハンセン選手をスタンディングオベーションで称えていました。早くも「2008年のベストバウトではないか?」という声も聞かれます。
アルバレス そう言ってもらえるのは嬉しいね。今年はまだ半年以上あるけど、最終的に昨日の試合が「2008年のベストバウトだった」と言われていたら嬉しいな。でも、昨日はオレの試合以外にもいい試合が多かったよね。ウノとイシダの試合もすごかった。オレ自身も大興奮であの試合を見ていたよ。
──ライト級グランプリに残っている選手は、アルバレス選手以外は全員日本人となってしまいました。
アルバレス そのことに関しては少し不安なんだ。やっぱり完全アウェイになってしまうと思うので、観客を味方に付けることも難しいし、優勝候補に挙がるということも難しいと思う。だけど、その現実がさらに頑張ろうという気持ちにさせてくれるだろう。今まで以上に頑張らないと自分は勝てないだろうし、判定になっても自分が相当優位に立っていないと勝てないと思っている。しっかり試合をコントロールして相手を圧倒して、優勝を目指したいと思う。
──あくまで目標はチャンピオン。
アルバレス もちろん! それは自分自身に約束したことだからね。オレは有言実行の男。ちゃんと約束を果たす。
──決勝ラウンド進出を決めている宇野薫選手、川尻達也選手、2回戦残り1試合に出場する青木真也選手、永田克彦選手の印象を教えてください。
アルバレス カワジリはパワフルだよね。ノンストップで動き続けるし、パウンドも力強い。ただ、彼のファイトスタイルとオレのファイトスタイルがかみ合うかどうかは分からない。ウノは経験豊かな選手。昨日の試合を見る限り、他の選手と比べて彼が一歩飛び抜けている印象を受けた。昨日はコンディションからなにから彼のファイトスタイルが存分に発揮された試合だったと思う。決勝ラウンドで彼と当たることを想定して、今回の一戦のビデオを見て研究したいと思うよ。アオキとナガタはまだどっちが上がるか決まっていないからね。
──青木vs永田の試合はどうなると思いますか?
アルバレス 正直、よく分からない。でも、アオキのグラウンドでの動きは素晴らしい。彼がJ.Z.を破ったということを聞いたときは本当に驚いたよ。1Rはアオキに勝算があるとは思えなかったんだけど、2Rになって彼は効果的な攻撃を加え始めたよね。J.Z.に勝ったということは、称賛に値すると思う。なんと言っても、J.Z.は世界トップクラスの選手だからね。
──次は誰と闘ってみたいですか?
アルバレス 逆にみんなに聞いてみたいね。「誰と闘ってほしいか?」って。相手が誰であれ、自分が勝者になると信じている。7月に向けて正しいゲームプランを立てて、決勝ラウンドのリングに立つときにトップコンディションに持って行くだけだよ。
──1日2試合の経験は初めてですか?
アルバレス 初めてだね。でも、リング以外だったらこれまでにも1日2試合という経験はあるので、まあ大丈夫じゃないかなぁ(笑)。
──ストリートファイトで、ですね(笑)。
アルバレス そういうこと(笑)。でも、1日2試合というのは、自分の体力、集中力が試されるだろうね。自分は本当に“戦士”かどうか? それが試される一日になると思う。オレはさらなる成長を遂げるだろう。決勝ラウンドが楽しみだね。
■「ファンと同じ目線で格闘技を見ている。これほど充実した時間はない」
──『DREAM.3』の一夜明け会見では、「試合の勝ち負けよりも、観客の心を掴みたい」とおっしゃっていました。
アルバレス やはり格闘技が好きで見に来てくれるファンは、心に残る試合というのを求めていると思う。それにファンもただで試合を見に来ているわけではないからね。2人の選手がファイティングスピリットを剥き出しにして闘う姿を見たいはずだと思う。だからオレはファンが忘れられない試合をしたいんだ。技術はもちろん、それ以上にハートを見せていきたいね。
──その信念はプロデビュー当時から持っていたんですか?
アルバレス いや、デビュー当時は違ったね。アメリカというのは、勝つことが第一なんだ。勝利がなによりも大事。それは国柄と言ってもいい。だからオレもデビュー当時は内容よりも勝利を最優先にしていた。しかし、ファイターとして、そして人間として成長し、さらに勝ち星を重ねるうちに、勝つことだけがすべてじゃないと思い始めたんだ。ならばオレが見せたいのはなんなのかと考えたとき、自分の中で芽生えたのが“自分のベストパフォーマンスを見せる”“自分のハートを見せる”ということだったんだよ。
──そういう意味では、勝利以外の部分も評価するファンがいる日本というのは、アルバレス選手が試合をする場所として適していると考えますが、いかがですか?
アルバレス そのとおり! 日本のファンは勝利を見ることだけにこだわるのではなく、持てる力をすべて出すファイター、スピリットを見せるファイターを理解してくれるからね。特にDREAMにはそのように目の肥えたファンがたくさんいる。自分の信念とピッタリ合うイベントだよ。ファンと同じ目線で格闘技を見ている。これほど充実した時間はないよね。
──最後に『DREAM.5』ライト級グランプリ決勝ラウンドに向けての意気込みを聞かせてください。
アルバレス 今年3月、DREAM参戦にあたり、1回戦を突破できたら絶対に優勝すると自分に約束した。その約束が今、現実になろうとしている。7月の決勝ラウンドは、誰が相手でも倒せると信じて挑んでいきたい。ここまで大きなチャンスというのは、オレの人生で初めてだ。すべてを懸けて臨みたいと思う。オレは絶対にこのチャンスを掴む!
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