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2008年12月18日

「最先端のMMAが見せられると思います」
青木真也インタビュー

12・31『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』（さいたまスーパーアリーナ）でエディ・アルバレスと対戦する青木真也にインタビュー。アルバレス戦に向けての意気込みを語った。【取材日：2008年12月11日】

■「イケイケだし、オラオラしてますよね」

──『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』エディ・アルバレス戦が決定しました。今回で今年7試合目となります。
青木　みんなねぇ、オレに平気で試合をさせるから「青木は大丈夫だろう」と思っているでしょう？　絶対に間違ってますよ、それぇ！（笑）。でもね、自分自身はいいペースで試合ができているんで、これといってそんなキツイとは思ってないです、はい。今回は『Dynamite!!』というイベントですけど、大晦日に出るということは格闘技をやっている人間だったら誰もが目指すことなんで、そしてまたその先端にいられるというのはありがたいなという気持ちですね。
──当初、青木選手がやりたいという選手がいましたが……。
青木　いやもう、基本的にボクは“来る者拒まず、去る者追わず”な人間なんで、去った者を追ってもしょうがないでしょう。逃げ足早いし、しょうがないですよ（苦笑）。これ以上追ってボクが被害を被っても困っちゃうんで。そういう感じですね。
──もう気持ちもチェンジしていると。
青木　そうですね。もう次に向けてやってます。
──練習もやることは変わらず？
青木　やることは変わんねえっす。ボクの場合、K-1じゃないんで（笑）。
──アルバレス選手の印象を教えてください。
青木　“ミスター・責任感”ですよね。だって、子供がいるんすよ？　ボクはなんにもないですから。“ミスター・無責任”ですから、社会的に（笑）。“ミスター・責任感”vs“ミスター・無責任”。ただ、真面目に言うと、彼は4月からアメリカでやるんですよね？　アメリカをメインに闘っていくということなんで、ボクはDREAMという団体を背負ってやっていこうと決めていて、そん中でここでボクが負けるわけにはいかないでしょう。（アルバレスは）川尻さんに勝って、ハンセンにも勝ってる。これでボクに勝ったら「もう日本には用ねえよ」って感じだと思うんですよ、基本的にやっぱりガイジンなんで。「オレの役目はすんだ」ってなると思うんで、「そうはさせねえぞ」って気持ちはありますよね。
──アルバレス選手のライト級GPでの闘いを見ていかがですか？
青木　単純に強いと思いますよ。イケイケだし、オラオラしてますよね。お互い殺す武器を持っているんで、刀を突きつけ合うようなヒリヒリするような試合になるんじゃないかなと思います。
──アルバレス選手の怪我がなければ、7月21日のライト級GP決勝戦で実現する試合でした。
青木　トーナメント云々とかはまったく考えてないですね。それは周りがそうやって思って楽しんでくれればいいかなって。エディ・アルバレスという世界的に評価された選手と青木真也という選手が本物の格闘技を見せるってだけですよね。
──見方としては、“打撃vs寝技”という試合を予想するんですが？
青木　思いっきりそうでしょ。彼、クレバーですよね。喧嘩屋みたく言われてますけど、すごくクレバーですよ、格闘技において。だから、最先端のMMAが見せられるんじゃないかなと思います。
──注意すべき点はどこですか？
青木　あの殺す気満々のパンチをもらわないようにしたいと思います。あれは眠り薬ですからね。日本人で彼に勝てるのはボクしかいないと思うし、今世界のトップにBJペンという選手がいてその下のナンバー2を決める闘いになると思うんで、バッチリ勝ってナンバー2の座をもらいたいと思います。
──ナンバー2ですか？
青木　ナンバー2でしょ？　だってBJペンが一番ですよ、正直。UFCが世界のトップというのは紛れもない事実だし、それは誰も否定することはできなくて、だけどボクらはUFCという強い奴らを見て、対世界を見ている。それでいいんじゃないですかね。だって、格好良くないですか？　世界2位決定戦を堂々とやるのって。やっぱりアメリカってすごいし、逆にそれを見れてない人間は格闘技を見れてないと思います。今、ライト級のトップと言われる選手たちはアメリカを見ているだろうし、別にアメリカに行く行かないとかじゃなくて、そこを無視していたらトップを無視していることになっちゃうんで、なんか格闘技に対して嘘付いていることになると思うんですよね。ボクは嘘を付きたくないから、うん。
──認めるものは認めると。
青木　うん。だって強いんだもん（笑）。BJペンは本当に強いっすよ。全階級を通じてパウンド・フォー・パウンドだとボクは思ってますからね。

■「120％の青木真也を見せたいと思います」

──「いつまでもあると思うな、格闘技」ということをおっしゃっていましたよね。
青木　景気悪いっすからねぇ。でもボクの場合、残念ながら前のPRIDEという団体にいたときも、景気が悪くなってから入ってきた人間なんで、あんまりいいときを知らないんですよ。だから、今があまり悪いと思わないというか（笑）。だけど、本当にみんな出足が鈍っているというか、先が見えなくて安定していないのかもしれないんだけど、それにビビッてなんかテメエのことをばっかり考えて硬くなっている感じはしますよね。だって、勝負しないじゃないですか。それだったら本当に格闘技を愛してくれている人たちは満足しないでしょうし、格闘技から離れていってしまうと思うので、やっぱりガチンコだと思うんですよ、必要なのは。みんなキツいししんどいのは分かるけど、それはやっぱりやらないといけないなと思いますよね。
──一歩踏み出せよと。
青木　そう。みんな踏み出さないでしょ。“待ち”でしょ。基本カウンター待ちだからさ。しょうがないですよね。
──青木vsアルバレスには“待ち”がない闘いになると。
青木　ガチンコだと思いますよ、本当に。本物のカード。世界のどこに出しても笑われないカードだと思います。世界中が注目すると言っても過言ではないカードだと思うんで、すごい試合になると思いますよ。そこで120％の青木真也を見せたいと思います、はい。
──それでは、『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』エディ・アルバレス戦に向けての意気込みをお願いします。
青木　今年一年を振り返ってみてボクにとってすごく勉強になった年だったので、そんな中、また最後に今年一年を表すような試合をマッチメイクしてもらって本当にありがたいと思っています。大晦日は思いっきり弾けて最後に勝つのはボクだと思っているんで、思いっきり楽しみたいなと思います。で、年明けておいしいお餅を食べたいなと思います（笑）。
──ちなみに、元旦の予定は？
青木　元旦の予定はまったく決めてないっす（笑）。もうないかもしれないじゃないですか？
──“ない”というのは？
青木　死んでるかもしれないわけですからね。死んだら困るんですけど（苦笑）。でも、そんくらいの覚悟はあるってことです、はい！