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2008年9月24日

野望渦巻く大晦日への道
『DREAM.6』一夜明け会見で秋山争奪戦、勃発!!

9・23『OLYMPIA DREAM.6 ミドル級グランプリ2008 決勝戦』から一夜明けた9月24日(水)、都内・ホテル イースト21にて一夜明け記者会見が行なわれた。GP優勝者と日本人のワンマッチ勝者が顔を揃えたこの会見の最大のポイントは、やはり“大晦日への道”だ。
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全12試合という特大ボリュームで熱戦が続いた『DREAM.6』を受け、この日の会見に出席したのは笹原圭一イベントプロデューサーとGP優勝者のゲガール・ムサシ、さらにワンマッチで勝利した山本篤(遅れて登壇)、船木誠勝、秋山成勲、青木真也、桜井“マッハ”速人、中村K太郎という面々。まずは笹原EPが大会を総括し、ムサシに対して「実力もさることながら運にも恵まれていた。胸を張っていいと思います。若くてイキがいい、チャンピオンにふさわしい選手。これからも一本を狙う姿勢を貫いて、DREAMを引っ張っていってほしい」と祝福。ムサシは大晦日にも防衛戦を行なう可能性があるという。

またアリスター・オーフレイム戦で金的にヒザ蹴りを受け、ドクターストップとなったミルコ・クロコップの状況は「歩けないほどではなく、安静にしていれば腫れは引く」(笹原EP)というもの。笹原EPは加えて、昨日のTBSでのテレビ中継の視聴率が平均9.0%、瞬間最高が秋山vs外岡戦の13.4%だったことも発表した。

この視聴率について「楽観はできない。大晦日には2倍、3倍の数字を叩き出せるような仕掛けをしてきたい」という笹原EP。最高視聴率を獲得した秋山自身も「僕よりいい試合をしてた選手もいたんで、そういう試合を国民のみなさんに見ていただければなと思いました」と語っている。

そして今後、最も注目されるのは大晦日の対戦カード、昨日の試合後には秋山が吉田秀彦に、青木が秋山に対戦を要求して大きな話題を呼んだ。この会見でも、ムサシが「みんなが見たがっているのは秋山戦だと思います。今回のトーナメントにも出場していないですし」と語れば、青木もあらためて「やらせてもらえるのであれば“正々堂々と”やりたい」と秋山に対戦を表明。しかし秋山自身は、ムサシに対しては「リスペクトされるのは嬉しい」としながらも「ゆっくり考えます」と返答。青木には「正直、興味ないです」とバッサリ切り捨てた。秋山の標的はあくまでも吉田。対戦できるのであれば「場所はどこでもいい」という言葉まで飛び出した。

この発言に対し、青木がさらに「3月から、少なからず一生懸命やってきた自負、強い気持ちがあります。それをね、他団体の選手の名前を出されたり、DREAMでやりたいと言ってもらえないのは悔しいです」と語気を強めてコメント。ムサシを挟み秋山、青木と並んだ壇上には、ただならぬ緊張感が走ることに。

“秋山争奪戦”の様相を呈してきた大晦日へ向けてのマッチメイク。ムサシは? 青木は? そして秋山は果たして誰と闘うのか? 昨日のリング上で桜庭和志がアピールした田村潔司戦も含め、今後ますます注目度が高まっていきそうだ。

以下、会見中の全選手コメント及び会見終了後に行なわれた笹原EPの囲み会見の模様。

【記者会見出席選手のコメント】

■船木誠勝
「昨日は本当にありがとうございました。復帰後3戦目でようやく、感覚が戻ったという実感がありました。昔のように関節を絞めている感覚があったので、これを弾みにして、今後も可能性を求めて闘っていきたいと思います。(今後、対戦を希望する相手は?)誰でもいいです。プロモーターが選んでくれた人と闘います」

■秋山成勲
「ケガなく終わったので、次の準備ができるようにすぐ動いていきたいと思います。(青木選手の対戦要求については?)僕は昨日も言わせてもらったように吉田先輩にしか目が行ってないので、そっちに集中したいと思ってます。(昨日の発言に対する反響は?)柔道をやってた連中からはすごい連絡がありました。僕の中では最後に越えなきゃいけない壁だと思ってるんで。タイミングがいいのか悪いのかは別にして、みんな応援はしてくれてましたね。(吉田選手と対戦できるならどのリングでも?)自分的にはどこでも構わないですね。体重も自分のほうが軽いし、いろいろ問題はあると思うんですけど、やることに意義があると思うんで、場所はどこでもいいです。(会場でブーイングが起きると同時にテレビでは最高視聴率を獲得した現象については?)ブーイングに関しては、甘んじて受け入れます。数字は、そこまで意識はしてないんですが、みなさんが少しは注目してくれている結果だとは認識しています。ですが、昨日は僕よりもいい試合をした選手がいますので、もっと数字が上がってもいいと思います。みんながもっと力を合わせて、頑張らないといけないなというのが率直な気持ちです」

■ゲガール・ムサシ
「今回、ベルトを獲ることができて嬉しく思います。非常にタフなファイターが多い中で、強い選手に勝って優勝できたことを光栄に思います」

■青木真也
「はい、昨日はありがとうございました。青木真也というものを貫いて、すべてリング上で出せたかなと思います。でも、視聴率につながらないということは、正直ボク自身悔しいところはあります。これから、DREAMという団体が世界に、世間に羽ばたいていけるよう頑張っていきたいと思います」

■桜井“マッハ”速人
「選手が変わって大変だったんですけど、とりあえず昨日闘いました。ウェルター級は層が厚いとか薄いとか言われてますけど……まあどっちでもいいんですけど、とりあえず頑張ります。(日本人との対戦が続いたが、今後の希望は?)正直、焦ってないんですよね。Take it easyで。ウェルター級は世界では層が厚いんですけど、世界各国の大会に散っちゃってる。聞いた話ですけど、他の大会に出るのでということで、試合をキャンセルされたりもしたんで……。前回の大阪もキャンセルされて。……まあニック・ディアスなんですけど(笑)。お前どうなってんだって。今回もフィル・バローニが決まってたんですけどキャンセルになって。まあそれはしょうがないんで、相手は誰でもいいです。選ばない。DREAMウェルター級を世界に広めるために、誰とでもやります」

■中村K太郎
「確実に放送されないような試合をしてしまったんで、次からは面白い、内容のある試合を心がけたいと思います」

■山本篤
「遅刻してすいませんでした。試合が終わって、とりあえずほっとしてます。(KID選手とはどんな話を?)『篤やったなぁ』と。『おめでとう』と言ってもらいました。(同階級のトップはKID選手だが、今後の目標は?)何人かやりたい選手がいるので、これから考えます」

【笹原EPの囲み会見】

──ファンが望めば場所はどこでも秋山VS吉田戦が実現する?
笹原 ファンが望むことを実現するのが僕たちの仕事ですから。ただ、青木選手も言ったように、僕たちはずっとDREAMを作ってきて、ここがホームリング。ここでやること、ここを大きくすることしか考えてないですね。ここで熱のある闘いを組みたいです。
──大会が終わって、秋山vs吉田に対する反応は?
笹原 今のところないですね。僕はウェブで投票をやるといいと思います。秋山選手と誰の試合が見たいのか、青木選手と誰の試合が見たいのか。階級に関係なく、アンケートを取ってみたいです。階級を越えてというのは普段は難しいですが、大晦日なので。
──青木選手が秋山選手に対戦を表明しましたが、秋山選手は上の階級しか意識してないようですが?
笹原 そうですね。ただ、青木選手から見れば秋山選手が上の階級なんですよね。下の階級の選手とやるのは、重い選手は嫌がるんですよ。重い選手が強いと当然、思われるわけですからね。そこはある種のチャレンジですけど、秋山選手は常々、チャレンジャー精神でやっていくとおっしゃってますからね。そのへんをご理解いただければ、実現も不可能ではないと思います。
──ムサシ選手の防衛戦の相手候補は?
笹原 そこも一回、声を拾いたいです。ムサシ選手本人は、階級を上げてという話もしてますので。そういうステップアップを考えた試合にしたいです。基本はやったことのない選手ですね。誰とやっても面白いと思います。ナカハラ選手とか、メイヘム選手とか。
──桜庭vs田村は?
笹原 昨日、会場に田村さんも来ていたと思うので、あの声(対戦表明)は届いていたと思います。主催者としてはウェルカム。大晦日が近くなると(桜庭vs田村戦の噂が)恒例になってますんで。桜庭さんも“もういいでしょ。このタイミングでしょ”というようなことをおっしゃってましたが、僕も同じ気持ち。実現させたいと思ってます、もちろん。