
- 2008年11月12日
因縁の闘いに桜庭が早くも先制攻撃!!
田村に時間無制限&グローブなしの過激ルールを提案!!- 11月12日(水)、都内・ANAインターコンチネンタルホテル東京で記者会見が行われ、12・31『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』(さいたまスーパーアリーナ)の第1弾カードとして、【ミドル級ワンマッチ】桜庭和志vs田村潔司、【ライト級ワンマッチ】ヨアキム・ハンセンvsJ.Z.カルバン、【K-1甲子園準決勝戦】日下部竜也vsト部功也とHIROYAvs嶋田翔太の4試合を発表した。
- 動画で見る
遂にファン待望の一戦の実現だ! PRIDE時代から何度も浮上しては実現に至らなかった桜庭vs田村が、2008年の大晦日に遂に日の目を見ることになった。
松田幸雄TBSテレビ事業局担当局長、谷川貞治FEG代表と共に会見場に現れた笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーは、「このカードをこういう形で発表できることは万感の思いです。言葉にできないですね」と感無量の様子でコメント。続けて、「いい意味でも悪い意味でもこの二人には因縁があります。見たい気持ちもありますけど、見たくない気持ちもあります」と複雑な心境を吐露すると、「桜庭選手と田村選手にしか描けない絵があると思います。そういう闘いを見せていただきたい」と期待を込めて語った。また、谷川FEG代表も、「昨年末にK-1と旧PRIDE陣営は大連立したのですが、昨年はさいたまと大阪の二つに分かれて開催しました。今年は一緒にやる一発目。PRIDEで実現できなかったカードが、大連立の一発目でやれるのは良かったなと思います。PRIDEファンだった方を含めて見に来てほしいですね」と興奮した表情でコメント。「チケットの売れ行きもいいですし、このカードを最初に発表できて良かった」と安心した表情も見せていた。
その後、桜庭、田村の両選手も会見場に登場。桜庭はスーツに赤いスカーフ、そしてサングラスというショッカーの戦闘員ルックでの登場だ。その桜庭がいきなり田村に先制攻撃を仕掛けた。「せっかくの年末の試合なので、緊張感をもってやりたい。できれば、時間無制限、素手というルールではいかがでしょうか?」と、田村との闘いに放送コードも危うくなりそうな過激ルールを提案してきたのだ。これを受けて笹原プロデューサーは、「私の一存では決められません」と返答。だが、桜庭はルール要求の手を緩めない。田村が「今、凄い緊張感がありますが、年末に向けて調整をして、試合に臨みます。桜庭提案のルール? 僕の一存では決められません」とかわそうとすると、「田村さんの一存で決まると思います」と畳みかけたのだ。これにはさすがの田村も苦笑い。「顔面もありってこと?」と思わず桜庭に逆質問だ。これに対して、「ありです!」とにやけながら答える桜庭。「最近の総合格闘技は緊張感がないので、緊張感のある試合をしたいっていうことです」と、時間無制限&素手ルール要求の真意を述べたものの、谷川FEG代表からは「ここで交渉してどうすんの(笑)」と注意を受ける始末だ。
また、お互いの印象について問われると、「格闘技界を引っ張ってきた人間で、10年近くトップを張っている選手。精神力が強いのかなと思います」と真面目に桜庭のことを語った田村。一方の桜庭は、田村について「赤い色です」と答えるなど、どこまで二人の様子は対照的だった。
そもそも、このカードが浮上したのは2003年の年末まで遡るが、障害となっていたのは田村の気持ち。“赤いパンツの頑固者”とまで言われる田村を口説くのに、旧PRIDEスタッフたちはいつも四苦八苦していた。一方の桜庭はその後も何度も田村へラブコールを繰り返すなど、田村戦に対してはいつでも乗り気。先だっての9・23『OLYMPIA DREAM.6 ミドル級グランプリ2008 決勝戦』(さいたまスーパーアリーナ)でも、リングの上から呼びかけていたのは記憶に新しいところだ。当然、田村がこのタイミングで桜庭との試合を受けた理由は気になるところ。「PRIDEはPRIDEで独自のブランド感を持っていて、僕が出る出ないとは関係のないところにあったと思います。今回は現在の格闘技界を見てのことなんですけど、一言で言うと“流れ”ですね」と、曖昧ながらもこのタイミングならば日本マット界の起爆剤になりうると判断したようだ。しかしながら、このタイミングがベストかどうかについて問われると、「それは1年後、2年後、あるいは10年後に結果となって出ると思います。今は分かりません」と答えたように、あくまで目先のことではなく格闘技界の未来を見据えて、今回の決戦に臨む腹積もりのようである。
一方の桜庭は、「僕と田村さんにしかできない試合をしたいって言ったのが、僕の中では時間無制限と素手。一番気持ちが出せる」とあくまで自身が提案するルールに拘る様子。緊張感がさらさらない格好で登場しながら、緊張感を強調するという桜庭一流の仕掛けで周囲を大いに戸惑わせていた。テレビ放送を考えれば、時間無制限はもちろん、オープンフィンガーグローブなしでの打撃はあまりにもバイオレンスになりかねないだけに、実現にはTBSの意向も大きく左右するはず。果たして、桜庭の時間無制限&素手ルールの要求は通るのか?
また、桜庭vs田村の他にも総合ルールでDREAMライト級王者のヨアキム・ハンセンにJ.Z.カルバンが挑む一戦も決定。DREAMライト級GPの優勝候補と目されながら青木真也に一回戦で敗れていたカルバンは久々の登場だ。ケガも癒えたことで体調も万全。この元HERO'Sミドル級王者と現DREAMライト級王者の決戦には、笹原プロデューサーも「結果次第で来年のライト級戦線は盛り上がる。格闘技の素晴らしさを世間に訴える闘いをしてくれると思います」と期待を寄せていた。なお、この一戦はノンタイトル戦で行われる。
そして、今回の『Dynamite!!』のサブタイトル“勇気のチカラ”については、「日本の不況を格闘技界の力で打破しようということです。リスクをはね除けて闘うということをテーマにやります。お祭り気分ではありません」と説明した谷川FEG代表。なお、試合数は全部で16〜17試合ぐらいになるそうで、そのうち総合ルールの試合は10試合を超えるという。K-1ルールの試合については、この日発表された『K-1甲子園』のカードに数試合プラスされる予定だ。大晦日まであと約1ヵ月半。次に飛び出すビッグカードに注目だ!
以下、ハンセン&カルバンからのメッセージ及び会見終了後に行なわれた谷川代表&笹原EPの囲み会見の模様。
■ヨアキム・ハンセンからのメッセージ
「カルバン選手はとても強い選手だ。自分のキャリアの中でも最も厳しい試合になるであろうこの試合に向けて、DREAMのチャンピオンとして完璧に仕上げて望むつもりだ。また、大晦日にDynamite!!のリングで試合をすることを、とても名誉に思う」
■J.Z.カルバンからのメッセージ
「大好きな日本のファンの前で、DREAMライト級チャンピオンという最高の相手と闘えることになって、とてもワクワクしているよ。ケガも順調に回復して、トレーニングもできているし、大みそかにはベストな状態でカムバックできそうだよ。アオキとの試合でたくさんのことを学んで、ボクは進化しているからね。相手がチャンピオンであれ、絶対に勝つ自信はあるよ。エキサイティングな試合を見せるから期待していてほしい」
【谷川貞治FEG代表と笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーの囲み会見】
──谷川代表は桜庭vs田村についてどう見ていますか?
谷川 二人にしかできない試合があると思うので、二人の感性の合う試合になればいいと思います。それが素手なのかどうかは分かりませんけど。ボクはPRIDEでは高田(延彦)vs田村(潔司)が好きなんですけど、それ以上の試合になるんじゃないかなと思います。
──ルールとしては、総合は通常のDREAMルールなんですか? それとも、その試合毎に変わるんですか?
谷川 基本はDREAMルール、K-1ルールですけど、(桜庭vs田村は)桜庭選手からの今の提案を受けて審議されると思います。
笹原 基本は1R10分・2R5分のDREAMルールをベースに考えてるんですけど、当然、テレビ放送がある中で言うと、無制限というのはなかなか難しいですよね。だけど、何か考えたいです。本当にここまでずっと溜めてきたものが大晦日で花開くという形になるように、何かルールとしての仕組みがあったほうがいいのであれば、主催者としては頭をひねらないといけないと思います。要は、桜庭選手的には「緊張感のある試合がしたい」と。そういうメッセージだと受け止めました。その桜庭選手からの“投げかけ”に対して、私たちで考えて、桜庭選手と田村選手に一回戻したいと思います。
──PRIDE時代になかなか実現できなかったカードですが、今まで実現できなかったのは何が一番の要因だったと思いますか?
笹原 いろいろあって忘れちゃいましたね(笑)。本当にいろんなことがありすぎて言い表せないんですけど、それも含めて、神様がこの2008年の大晦日にやるべきだと導いたのかなと、ボクは思っています。DREAMが今年立ち上がって、今年の大晦日に『Dynamite!!』を行うんですけど、新しい船出をした中でこのカードが組まれるというのはすごく意味があるものだなと思います。
──このカードがメインですか?
笹原 まだ分かりません。
谷川 なる可能性は高いと思います。
mixiチェック Tweet